理系Sの牝奴隷には言えない話
元、”御主人様”だったvetのSMに関するいろんな話。
はじめに

 いらっしゃいませ、とでも書くべきだろうか。とにかく、あなたが見に来てくれたことは素直に嬉しい。ありがとう。

 このブログはSM、男女の主従関係に関することを主に取り上げて書いている。なので少しアブノーマルだ。だから、初めてこのブログを訪れた人は、右側の欄の”このブログについて”をまずは読んで、それに同意できた場合のみ、読み進めて欲しい。

 また、このブログ、少々ややこしい構成になっている。そのあたりも説明してあるので、それも理解してから読んでもらえればと思う。説明を読んで問題がなければ、二度目以降からは以下のエントリーを好きなように読んでもらえればそれでOK。

 AVや他の本格的なSM系サイトなどとは、多少違った視点からのSMの世界を知ってもらえれば、幸いだ。特に読者を指定するつもりはないが、御主人様を探しているM女などにはSMの実態を知るということで、参考になるのではないかと思うので、御主人様を選ぶ前に、SMの世界に飛び込む前に読んでもらえれば嬉しく思う。

 私への意見や質問、相談、その他の話などがある場合には、右側の欄の中段あたりにある”管理人、vet宛メール”のところのリンクから、メールフォームにいき、メールを送っていただければと思う。メールフォームは2つ用意してあるが、どちらから送ってくださっても構わない。また、各エントリーのコメント欄に書いてくださってもいいので、気軽に話しかけてくれればと思う。


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「お前の物は俺の物、俺の物は俺の物」

なんて、有名なセリフがある。

ドラえもんで、ジャイアンが言っている(のか?直接聞いたことは無いのだが…)ので、ジャイアニズムなんて、言われるが、一般社会において、これは、一方的で理不尽な話ということになる。

そして、

「お前は俺の物だ」

というのは、それ以上に、理不尽な気がする。

でも、これが、私が奴隷に対して思っていることだ。

もちろん、ジャイアンと張り合っているわけではない。

私は、空き地に友人を集め、強制的に自分の熱唱を聴かせる勇気など、持ちあわせていないのだから。どう足掻いても、彼には勝てない。

話がそれた。


”奴隷”とは?

このブログで、散々に、奴隷、奴隷…と、書いてきたのだが、そもそも、奴隷とは?ということをしっかりと書いていないような気がした。

特に、”私の”奴隷について。

色々と抜け落ちている気がする。

一応、前に、”女の常識、奴隷の常識”のエントリーなどで、書いているし、その他のエントリーでも、触れていることも多いが、今回はもっと具体的なイメージで、書いてみようと思う。

私の話を。

奴隷になったことがない(なる気もないが…)ので、奴隷の側のことは、書けない。

また、外から見た奴隷ということなら語れるし、これまでも書いてきたが、今回はそういうことではなく、”私”という一人の御主人様が、何を思って”女性”を”奴隷”にしていたのか?ということだ。

”私の”奴隷とは何か?という話。


最初に書いてしまうが、私の基本的なスタンスは、”奴隷は私の所有物”ということ。

身体はもちろんだが、その心も。

そう思っている。

思っているが、心を私の物にするというのは、なかなか難しい。

言葉ではそう言える。でも実際には、至難の業だ。

これはじっくりと、時間をかけて、想いをかけて、信頼関係の上に、掴みとるものだ。

ちゃんと掴めたと思った奴隷もいたし、もう一歩届かなかったような気がする奴隷も居る。

やはり難しい。

身体についても、”私の物”だからといって、壊してもいいのか?究極的に言えば、殺してもいいのか?というと、そういうことは絶対にないし、

私は表の世界への影響も出ないようにと考えているから、”所有物”と言いつつも、それは、許される範囲での”所有”であり、”物”であるということになる。

冷静な部分では、これらはちゃんと頭にあるのだが、私は、奴隷に、

「お前は、俺の物だ」

と、言った。

私が、御主人様として、命令をする。

奴隷に、奴隷であることを要求する。

奴隷が、それを自覚し、自発的に奉仕をする。

その中には、常識的に考えると、理不尽なものも、かなり多いのだが、それの根拠がこれになる。

奴隷は、私の所有物。

だから、私は、奴隷を好きなように使う。

そして、奴隷が、耐え切れずに、

「許してください…」

と言えば、私は、

「俺の好きにしている(お前は俺の物なのだから)」

と、言い放ったことが多かったように思う。

それに翻弄され、苦しみ、泣き、恥ずかしがり、悔しがる、奴隷の姿、その切なげな表情にS性を刺激される。

そこに私のSとしての、快楽がある。

そして、私に馴染むように、奴隷を変えていく。

奴隷には、”私に好きに使われる”ことに、一番の快感や幸福感を得るように調教していく。

「お前は俺の物だ」

と言われると、最初は戸惑っていた奴隷が、そのうちに、それを求めるようになり、それだけで、快感や幸福感を訴えたりする。

「身体が熱い」と言った奴隷もいれば、涙や愛液を流した奴隷もいたし、いきなり自慰を始めた奴隷も居たりする。

”私に”馴染んでいく奴隷。

とても、美しく、可愛いと思う。なによりも、愛おしかった。

そして、私もそこに、快感や幸福感を感じている。

その奴隷の姿、そこから感じる気持ちは、所有欲というか、支配欲を満たされる瞬間でもあるから。

でも、自分で調教し、また気持ちを精一杯に向けて、そうなるように調教したことなのだが、そういう奴隷の変化は、不思議でもある。

冒頭のジャイアニズムの話と同じで、「自分が誰かの物になる。誰かの好きにされる」ということ。

これは、理不尽なことだ。

だから、そこに、快感や、幸福感や、時には、絶頂感さえ感じる奴隷というのは、やはり、不思議としか言えない。

M性というのが、奴隷のこういう状態を作り出しているというのは、わかる。

御主人様に、制限される、強要される、支配される。

好きにされる。

そのことで、苦痛や屈辱や羞恥を受け取り、それをM性が、快感に変換する。

でも、奴隷の言動から感じられるのは、それだけではないようにも思う。

私の物になる、ということに、安心感を得ているようにも、私には見えた。

Mだから、ということだけではなく。

ある奴隷が、ボロボロと涙を流すような、少し強めの調教のあとに言っていた、

「私、やっと、御主人様の物になれた気がします」

と。

同時に、これ以上ないというくらい、美しく微笑んでいた。

これを見た時には、奴隷が自分の居場所を、見つけたという気持ちなのではないかと思った。

散々に酷い扱いを受けていながらも、その中に、安心感を感じているのではないかと。

また、上でも書いたが、いきなり自慰を始めてしまうようなことも、普通なら淫らで、恥ずかしくて、パートナーの評価を気にして、やらないのだろうが、私には、そんな姿を見せたとしても大丈夫なのだとわかったから、その欲望のままに自らを晒したのだろうと思う。

それも、積み重ねた信頼の上にできた、安心感なのではないかと私は思う。


人は、自分を必要とされていることが、嬉しい生き物だ。

私もそうだ。

例えば、仕事でも、誰かに頼りにされると、嬉しい。

「vetが居ないと困る」なんて言われると、本当に光栄に思う。

そして、そこに自分の居場所があるのだと感じる。

ここにいていいのだと安心する。

例えば、帰る家があること。そこに家族がいること。

無条件で、受け入れてくれる。

いつ、帰ったところで、拒絶されることのない、自分の心地良い居場所がある。

それが、安心感なのだと思う。

きっと、人は、それを見つけたいのだと思う。

そして、あのときの奴隷は、私の中にそれを見つけたのではないか?と思う。

私の自惚れかも知れないが。

「お前は俺の物だ」

というのは、私が、最初から意識していたわけではないのだが、

「お前を拒絶することはない」

というのと、私の中では、同義であるということに、しばらくしてからは、気がついていた。

もちろん、放置調教などのときには、拒絶した態度で接することもある。

奴隷が、たくさん書いてきたメールの返事が、「そうか」の一言の時も多々ある。

でも、それは、奴隷自体を拒絶しているわけではない。

普通の友人や、多分、恋人を相手にしたときには、できない態度を、奴隷にはとれたということだ。

しかも、何の躊躇もなく。

そのことも、奴隷が理解した時に、居場所としての私を、奴隷は感じていたのではないかと思う。

安心感を得ていたのではないかと思う。

そして、同時に、私も、奴隷の中に居場所を見つけていたのだろう。

私のS性を受け止めることのできた、存在。

私の心の裏の部分も、見せることができたのは、奴隷だけだ。

奴隷の前では、私が、本当に、好きなようにしていられた。

多分、その居場所を、確認する意味でも、

「お前は俺の物だ」

と、私は、奴隷に告げたのではないか?なんてことを、今になると思う。

テーマ:支配と服従 - ジャンル:アダルト



理沙と、主従関係を解消し、理沙が幸一のプロポーズを受けることが決まった日から、1週間ほど後だったと思う。

私は幸一から電話をもらった。

幸一は、神妙な声で、

「vet、話をしてもいいか?」

と、最初に聞いてきた。

私は、理沙のことをすぐに忘れたわけではなかったから、幸一と話をすることには、抵抗感があったのだが、それでも、話だけはしようと思った。

幸一とは、理沙のことがあって、もう普通に話をすることはないかもしれないと覚悟したのだが…。

それでも、話があると言われれば、それを聞きたいと思う。

理沙のことを私はこの時も、やっぱり知りたいと思った。

「ああ、いいよ」

「理沙が、プロポーズを受けてくれたよ」

幸一の声は暗かった。理沙のあの時の表情と同じように感じた。

最愛の人との結婚が決まった人間の声とは思えなかった。

二人が結婚することを私は本気で祝ってやれない。

器が小さいのだろうが、それが正直な、その時の私の気持ちだ。

そして、私のそんな気持ちを二人も知っている。

「そうか」

と、返すのがやっとだった。

「なんて言えばいいんだろう…」

幸一が困り果てたように言った。

「俺に聞くな」

「ああ、悪い」

「話は、それだけか?」

本当に、プロポーズを理沙が受けたという報告だけなら、私は、さっさと幸一との会話を終えたかった。

私が辛いというのが一番の理由。そして、幸一にまで、冷静ではない自分で、ぶつかっていってしまいそうだった。

「vet、やっぱり、俺と話をするのは嫌か?」

「嫌というか…。辛い」

「そうか…」

「ああ」

「じゃあ、用件だけ」

「うん」

「理沙の貞操帯の鍵のことなんだが…」

と、幸一が切り出した時、私は、理沙を譲渡された時のことを思い出した。

あの鍵は、理沙の所有権と同じ意味を持つ。

つまり、あれを幸一に返せば、理沙は幸一のものだ。

やはり辛い話だった。

でも、幸一が、理沙の婚約者になった以上、鍵をよこせというのは、当然の要求だった。

胸にそれが突き刺さるような気持ちのなかで、私はできる限り冷静にというか、冷淡に、幸一に答えていた。

「ああ、あれか。もう、お前のものだな。悪かった、気が付かなくて。すぐに送る」

「すまない…。全部、vetから取り上げるようで…」

「理沙が選んだことだ」

「そうだけど…。俺がいない間、お前は、理沙を守ってくれた。それなのに、こんな事して…」

「だから、理沙が選んだんだよ!」

声を荒げていた。やっぱり、冷静な話なんて出来なかった。

「そう、だな…」

「ああ。あとで送っておく。それじゃ」

といって、私は電話を切った。もう、幸一と話すのは、耐えられなかったから。


そして、その次の日のうちに、私は、キーケースから、理沙の貞操帯の鍵を外して、緩衝材のついた封筒に入れ、確実に幸一が受け取るように、書留で送った。

それと一緒に、理沙の部屋の鍵も、そちらは理沙に送った。

その2つの封筒を郵便局のカウンターで、窓口の人に手渡した時、本当に理沙が私のものではなくなったことを、実感した。


理沙は、それから1ヶ月くらいで、東京を離れるのだと言った。

幸一との結婚は、半年以上先の話なのだが、理沙は、務めていた会社の仕事をその1ヶ月で引き継ぎをし、退職することになった。

そして、幸一が事業をしている実家の近くに引っ越して、幸一の会社で、働く事になっていた。

その1ヶ月、私は、理沙と、何度か会った。

もう、私の奴隷ではないから、調教も、セックスも、キスもしなかった。

ただ、一緒に食事をしたり、お茶を飲んだりしていた。

全て、理沙が誘ってきたことだった。

2人の時もあったし、美佳も含めて3人の時もあった。

正直な気持ちを書けば、私にとっては、辛いだけの食事だったのだが…。

理沙は、私と会いたがった。

とにかく、話をしたいと言って。

理沙は、どんな心境だったのかはわからないのだが、その態度や口調は、奴隷だった時と何ら変わらない感じで、明るく話をしていた。

楽しそうに、笑って食事をしていた。

私は、それをただ、聞いていた。

それでも、理沙は良かったのだろうと思う。

ただ、一つだけ、引っかかったのは、理沙が、その時も、私のことを、ずっと”御主人様”と呼び続けたことだ。

それに対して、私は、

「もう、違うだろう」

と、何度か言ったのだが、それでも、理沙は、

「私にとっては、やっぱり、御主人様は御主人様なんです。ご迷惑かもしれませんけれど…。一生、そう思っているように思います」

理沙が、何を考えているのか、その時はわからなかった。

でも、後から、思ったのは、理沙は私のことを、そういう形で、心にしまったのだなということだ。

例えば、誰かと結婚するとしても、それまでの友人は”友人”だし、家族は”家族”だし、先輩は”先輩”…。

自分にとっての”誰か”との関係というのは、そういうものなのだと思う。

結婚して変わるのは、”婚約者”が”夫”になるのと、夫の家族が、他人では無くなることくらい。

理沙の中の識別カテゴリとして、私は”御主人様”のままになるようなのだ。

”友人”にもならないし、かと言って”赤の他人”にもできない。

ある意味、中途半端な存在だったのだろう。

そんな私を、主従関係がなくなったのに、理沙は、”御主人様”として、認識することにしたのだと思う。

この時は、とても違和感のあることではあったのだ。

不思議でもあった。

でも、理沙が、そう思いたいのであれば、それでいいのかもしれないと、本当にかなり後になってから、私も思えた。

テーマ:主従関係 - ジャンル:アダルト

理沙が、東京を離れる日、私は、最初、理沙を見送りに行くつもりはなかった。

どう考えても、辛いだけだから。

理沙との主従関係を解消してからの1ヶ月で、理沙を手放すということが、私の中でも少し落ち着いてきてはいた。

理沙が、私に会って、色々な話をしてくれたからかもしれない。

また、理沙の引越しの手伝いなんかもしたからかもしれない。

ほんの少しだけだが、理沙と別れる、理沙が私の元を去ることを、受け入れ始めていた。

ただ、それでも、結婚を祝福する気持ちで、理沙を笑顔で送り出せるとは、到底思えなかった。

だから、理沙に、出発の時刻を聞いていたが、行く気は無かった。

でも、美佳が、どうしても行くと言い出した。

そして、私が行かないと言うと、

「理沙さんが、御主人様を、まだ”御主人様”って呼ぶのは、一生忘れない、大切な人っていう意味だと思います」

「…」

「だから、電車の時間、言ったんですよ。きちんと、ご挨拶したいのだと思います。御主人様、それでも、無視するんですか?」

美佳にしては、手厳しい言葉だった。多分、同じ奴隷として、理沙のことを考えたのだろうと思う。

「行っても、未練がましいことしか、言えない。理沙に、”幸せになれ”とか、俺が言えないのは、お前もわかるだろう」

「それでも、いいと思いますけれど…」

あっさりと、美佳はそう言った。それのどこが悪いのか?と。

そして、そんなことで、悩んでいたのですか?

と、美佳の目が言っていた。

結局、私は、美佳に押し切られ、引きずられるようにして、理沙を見送りに行った。

自己主張の弱い、さらには奴隷である美佳にすら押し切られるという時点で、理沙を失ったことでの、私の精神的なダメージはかなり大きかったのだと思う。

美佳にも、情けない姿を晒していたのだが、そのことにも気が付かなかった。


理沙が乗る電車のホームで、私は理沙と話をした。

少し時間があったから、ベンチに座って。

理沙は、明るかった。その1ヶ月、話をしていた時と同じように。

そんな理沙に、私は、

「悪いが、幸せになれとか、言える心境じゃない」

と、とても、カッコ悪いことを、最初に言ってしまっていた。

「はい。それでもいいです。来て下さっただけで。ありがとうございます。それにしても、御主人様、今日はなんだか素直ですね」

理沙が笑った。

「そうか」

「はい。何かありました?」

「いや…」

「何かあったんですね。美佳に怒られたとか?」

理沙がいたずらっぽく笑った。図星だった。

「…」

「美佳は本当にすごいですね」

「そうか」

「はい。そう思います。御主人様のこと、よくわかっているから」

それを言うなら、理沙も私のことをよくわかっていたと思う。私の態度で何があったのか、予測できるのだから。

「お前もだろう」

「そうですか?」

「ああ」

「すごく、嬉しいです。御主人様」

「それより、お前は、本当に、俺のことを、まだ、”御主人様”って呼ぶんだな?」

「そうですね。私にとって、御主人様は、それ以外に呼びようがないですから。ずっと、そう思っています」

「そうなのか…」

「はい」

「それなら、俺はお前を”奴隷”だと思えってことか?」

「今更、私を”女友達”とか、思えるんですか?」

「それは、ないな」

「では…、忘れて、しまうのですか?」

その時、理沙は、切なそうな顔をした。

「それも、無理だ」

「じゃあ、奴隷でいいです。っていうか、そう思っていてくださると、嬉しいです」

「主従関係もないのに、それでいいのか?」

「だって、そうなんですから。他の立場って、もう、違和感ありすぎです」

そう言って、理沙が笑った。

そのとき、私は、どうしても言いたいことを思いついてしまった。

未練がましいことなのだが、主従関係を解消しても、理沙が、大切な人であるという気持ちから出てきた思いだった。

「そうか…。じゃあ、一つだけ。変なことを言うけど、いいか?」

「はい」

「幸一がそばにいるんだから、心配することは無いんだろうけど…。もしも、これから先、何かあって、困って、誰にも頼れなくなるようなことになったら、連絡しろ。俺ができることはなんでもする」

「え?」

理沙は目を見開いて私を見た。驚いていた。

「お前には最後に頼れる人間が居る。そう思っていい。本当に、頼りになるかどうかは、わからないけどな。話を聞いてやれるくらいかもしれない…。でも、お前の事情も性格も性癖も全部わかって聞いてやれる」

「そんな…。なんで…」

理沙は、この時も、きっと、私を裏切ったのだと思っていたのだと思う。

私が、理沙に腹を立てているのだと。

そんな理沙にしてみると、私がこんな事を言い出したのは、かなり意外だったのだろう。

でも、その時の私は、別れるのはもちろん辛かったのだが、理沙が裏切ったとは思っていなかった。

理沙が選んだ。

というよりも、幸一が理沙を選んだのに、私が理沙を選べなかった。

だから、手放すことになったのだと、思っていた。

それで、別れの言葉に、こんな事を思いついてしまったのだと思う。

「幸せになれ」と、素直に言えない私にとって、精一杯の言葉だった。

理沙が、私にとって、大切な人であることは変わらない。

そのことから出てきたのが、これだった。

もちろん、言葉に嘘はないから、理沙が私を頼るなら、それに応えるつもりで言ったことだ。

「お前、奴隷なんだろ? だったら、俺を頼るのは、悪いことじゃない。もしも、必要な時が来たら、遠慮無く頼れ」

そう言ったら、理沙は、また笑った。

「やっぱり、御主人様は、理屈っぽいですね」

「そうか…。それよりも、未練がましいとか、お節介だとか、言われるかと思ったよ」

「そんなことは。私なんかのために…。ありがとうございます」

そう言って、理沙は、深々と、私に頭を下げた。

さすがに、駅のホームだったから、土下座はしなかったが…。


その後、美佳も交えて、話をした。

理沙は、美佳と別れることになるのも、寂しいようだった。

その様子を見るに、理沙と美佳が、仲良くしてくれていたことが、多頭飼い初心者の私にとっては、大きな救いだったのだと、改めて思った。

そして、電車の時間が来て、理沙は、私に握手を求めた。

私は、その手を握った。

「本当にありがとうございました」

「ああ」

それが、私が理沙に触れた最後だ。

そして、理沙が電車に乗った。

美佳が、電車の窓から手を振る理沙に手を振り返していた。

私はただ、理沙を見ていた。

理沙は最後まで笑顔だった。

私は、笑顔ではなかったと思う。やっぱり、とても辛かったから。

正直に書くと、泣きそうだった。

美佳がいなかったら、泣いたかもしれない。

私は、どうも涙もろいので、困る。

こうして、私は理沙を見送った。



以上が、私の奴隷だった、理沙との話。

119話と今回の話は一気に書けたのだが、長くなったので、分けた。

最後になって、書きたいことがうまくまとまって出てきたような気がする。

こういうものなのだろうか。

少し不思議だ。

実は、このあとで、結婚式に招待されて行くとか行かないとか、その後にも、色々あったりするのだが、それは、表の世界の話がかなり絡むので、ここでは書けないし、主従ということでの、気持ちの整理という意味では、その外の話になるので、このブログに書くことでもないと思う。

だから、ここまでが、私の理沙への気持ちの話ということになる。

理沙は、続き物の話では、もう出てこない。

時系列を完全に無視している四方山話とかでは、一匹の奴隷として、普通に書くとは思うが。

理沙絡みの話で、書きたいものもたくさんあるので。

でも、とりあえず、理沙については、やっと書き終えられて良かったと思っている。

これで、完全に、気持ちが収まったわけでもないのだが、一段落ついた気がする。

なんだか、安心した。ホッとした。

でも、まだ、一匹だ…。

先は長いが、ゆっくり書いていこうと思う。

とりあえず、しばらくは、四方山話などを書いて、次を書くための覚悟を決めようと思う。


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私は、鞭を使う調教というのは、とても好きだったわけではないのだが、嫌いでもなかったので、それなりにやったと思う。

たまに、奴隷が苦しむ姿が見たいという欲求が湧いてきたから、それを満たす上で、一番手っ取り早いのが、苦痛を与えることであり、その最たるものが鞭だと思う。

でも、鞭の話というのは、あまり書いてこなかった。

それで、つらつらと考えていたら、鞭の話で、しかも、やらかしたことを思い出したので、最近、シリアスな話が多かったことでもあるし、今回はそれを書いてみようと思う。


前に、鞭で、奴隷に一筋の赤い線を入れるのがいい、なんてことくらいは書いたかと思う。

奴隷の綺麗な背中に、そういう一撃を入れることは楽しかったし、S性を満たされたのだが、いつもそれというわけではなかった。

というよりも、私の性格としては、色々と試してみたいタイプなので、それだけで納得するということはない。

なんでもやってみないと、気が済まない。

その中で、今回は、間抜けな鞭のお話。


奴隷が挨拶を終え、首輪をして、椅子に座った私の前の床に正座している。

挨拶や首輪の装着など、最初の部分というのは、私はだいたい決まっている。

ここが変わることはあまりない。

奴隷も、それはわかっていたから、この部分はそつなくこなすようになる。

でも、その後の調教というのは、色々だ。

事前に決めていることもあるし、その時に、考えることもある。

それは、私の気分によるところが大きい。

奴隷の様子が、あまりにも普段と違うと、変わったりもするのだが、その日は、その”私の気分”というやつが、また妙なことを思いつかせたのだった。

それまでにやったことがないこと。

奴隷を、奴隷らしく扱うこと。

そんな意味で、あることを思いついてしまった。

まずは、奴隷の上半身を縛った。後ろで腕を固定して、奴隷の手を使えなくした。

そして、靴べらを持って、椅子に座る。

奴隷に、

「舐めろ」

と命じた。

奴隷は、

「はい」

と言って、口で私のズボンのチャックを下ろし、器用に下着の中から性器を取り出して、それを口に含んだ。

その時、私は、時計を見た。そのデジタルの秒のカウントを。

私が、そんなところを見ているなんて、奴隷は気づかない。

必死で、フェラチオをして、私を射精に導こうとしている。

でも、私は、そんな奴隷を見ずに、やっぱり、時計を見ている。

そして、1分が過ぎた時。

「時間だ」

と言って、奴隷の首輪につけたリードを引っ張って、強引に、股間から引き離した。

何があったのか?

と、奴隷はびっくりした顔で、私を見上げる。すぐに、それは不安そうな表情に変わる。

「御主人様、私…」

なにか悪いことをしたのではないか?と、心配になったのだ。

普段、奉仕をさせると、こんなに早く、終わりにすることは、まずないから。

「お前は、1分で、俺をいかせられなかっただろ」

「でも、そんな…」

奴隷としては、たった1分で、私を射精に導くことなど不可能だと言いたいのだ。

確かに、それは不可能だ。

勃起もしていない、最初の状態だから、そこから、1分では、私がいくら、性欲が強くても、射精まで至るのは無理だ。

せいぜい、ちゃんと勃起するところまでいって、刺激に反応し始めるくらいのもの。

私が、セックスをしたことがない時期なら、もしかしたら、これでも、興奮して、射精できたかもしれないが、奴隷を持って、かなり経つこの時期では、もう慣れていて、この程度の刺激では、すぐに射精することはない。

そんなこと、私もわかっている。

でも、奴隷には、それで、射精に導けなかったことを責めた。

「どうする気だ?」

奴隷に意地悪な言葉をかける。眉根を寄せて困ったような顔をしながら、考える奴隷。それを見ているのは、楽しい。

「あの…。もう一度、させてください」

「もう一度か。ただで出来ると思うのか?」

「どうすればいいのでしょうか?」

「俺が、なんで、これを持っていると思う?」

そう言って、奴隷に見せたのは、手にした、”鞭”という名の靴べら。

それを見て、奴隷は察する。



「御主人様を気持よくさせられなくて、申し訳ありません。至らない奴隷に、お仕置きの鞭をください…」

「尻を上げろ」

「はい」

奴隷が、尻を持ち上げると、私はそこに、靴べらを振り下ろした。

といっても、私は座っているから、本気で打つときに比べると、威力は劣る。

それでも、奴隷は、痛いし、打ったところは赤くなる。

「あっ!」

と言って、奴隷が反射的に身体を動かす。だが、そのあとは、しっかりと、

「鞭をくださってありがとうございます」

といって、頭を床につける。

その頭に足を乗せたりして、奴隷に屈辱感や、うまくやれない挫折感を浸透させる。

それをしてから、

「また、1分だ」

と命じた。

「はい」

というと、奴隷はまた私の性器を口に含む。私は時計を見る。

今度は、私の意図がわかっているので、奴隷は必死だ。なんとか、1分以内に射精させようと、フェラチオをする。

だが、そう簡単に、射精するものではない。その時は、一応勃起した状態からはじめてはいるが、それでも、1分は短い。

数えきれないほどフェラチオをして、私が快感を感じる方法もわかっている奴隷だったのだが、間に合わない。

すぐに時間が来て、また、奴隷は、私にリードを引かれて引き剥がされる。

そして、上記の”※”に戻る。

という調教。

これを繰り返してみようと思ったのだった。

そして、はじめた時は、結構いいな、と思った。

かなりいい事を思いついた。なんて、内心でほくそ笑んでいた。

自画自賛。

鞭のような、苦痛系の調教をする時には、それに何らかの理由があったほうがやりやすい。

もちろん、”私が鞭を使いたいから”、”奴隷が痛みに苦しむ姿が見たいから”ということでも、主従なら、十分な理由ではあるのだが、私の妙なこだわりとしては、痛みというのは、何かの失態の罰として与えられるべき、というのがある。

お仕置きという意味合い。

また、その方が、奴隷も、納得して受けられるのではないか?なんてことを思っていたりする。こういう事を考えてしまうところが、私の面倒くさい性格なのだ。でも、それは仕方がない。

そして、こんな私にとって、ひと鞭ごとに、打つ理由がある、奴隷には打たれる理由があるという、この調教は、とても、すっきりしたものであったのだった。

だから、始めてから、5回くらいまでは、かなり、気持ちよかったのだが…。

だが…。

この調教には、重大な欠点があることに、そのあたりから気付き始める。

本当に、まずいと思い始めていた。

それは、いつまで経っても、

「射精できない」

ということだ。

つまり、私は1分くらいのフェラチオの刺激では、射精に至らない。

1分毎に、奴隷が、性器への刺激をやめ、私が鞭を打たないといけない、というこの調教。

フェラチオの刺激によって、ある程度まで、性欲が高まったところで、止まる。

そして、奴隷に鞭を打ち、屈辱を与える。その間は、刺激がない上に、奴隷を貶めることに意識を向けるから、性欲が、少し収まる。

その状態から、フェラチオが再開され、またある程度まで、性欲が高まるのだが、1分で止まる。

また性欲が、少し収まる…。

これを繰り返しているのだった。

性欲的に言えば、生殺し状態。

気持よく射精できないというのは、実は結構きつい。

ということに、途中で気がついた。

まことに、まずい。

でも、始めてしまった以上、これを途中でやめる、つまり射精しないで終わるというのは、なんだか、負けた気がする。

それは嫌だ。

妙な意地と、性欲とが、私の中で不毛な戦いを繰り広げていた。

しかも、そのうちに、奴隷の尻は、どんどん赤くなってくる。

叩くにしても、限界があるから、それが近づいてくる。

でも、射精できない…。

時間が経つに連れて、追い詰められたのは私だ。

奴隷は、奉仕と屈辱と苦痛が次々に与えられる調教に、M性を刺激され、恍惚とした表情まで浮かべ始めている。

「なんで、奴隷のくせに、お前だけ、気持ちいいんだ!」

私の心の声がそう叫んでいた。

そして、約40分。

おそらく、25回くらい。

そこで、先に力尽きたのは私だった。

もう生殺し状態に我慢できない。

ちゃんと、射精して、すっきりしたい。

負けた。

なんだか知らないけど、負けた。

でも、奴隷にまで、負けたことを悟られるのだけは嫌だった。

それだけは絶対に避けたい。

だから、最後に奴隷の顔を引き剥がした時、こう告げた。

「これだけやっても、できないのか。使えない奴隷だな。もういい」

と。

そして、奴隷を反対側に倒すように押す。お前に、もう用はないという意味で。

でも、これは、ただ単に、私が考えた調教が失敗していることを隠したいがためにしたこと。

理不尽、この上ないのだが、こうしないと、取り繕えないので、仕方がない。私も必死だ。

「申し訳ありません。次は、頑張りますから」

といって、奴隷が体を戻し、私の足に顔を寄せ、自由にならない手のままに、すがりついてくる。

だが、次をやっても、その次をやっても、無理なことは、私にはわかっている。

何回やろうとダメだ。この調教は終わらない。

だから、強引に終わらせる。

すがりついてくる奴隷を足蹴にし、さらに、尻に鞭を何発か入れてから、

「1分は無理か。性処理奴隷のくせに(フェラチオも満足にできない)お前には、がっかりした。もう、普通にやれ」

といって、今度は時間制限のないフェラチオを許した。

こんな風に、偉そうに言っているが…。

この調教をやめて、普通のフェラチオで、ちゃんと性処理したかったのは、私の方だったりする。

でも、奴隷には言わない。言えない。

「はい…。ありがとうございます」

と、奴隷が言って、性器を口に含む。

私が課した調教をしっかりとこなせなかったのだと、奴隷は思っているから、寂しそうな、泣き出しそうな表情なのだが、それを不機嫌な顔で見下ろす私も、自分の失敗を悔いていたりする。

多分、奴隷よりも、悔しさという意味では、大きかったかもしれない。

私のほうが泣きたい気分だ。

でも、そんなこと、顔に出したりはしない。

あくまでも、奴隷が悪いということで、押し切る。

あとから思うと笑ってしまうのだが、本当に私は、どこまでも意地っ張りだ。

それで、しばらくフェラチオをさせ、なんとか、その時は、私の非常にモヤモヤした性欲だけは解消されたのだが…。

多分、奴隷には、私が失敗したことは、気が付かれていないと思っているのだが…。

気持ちのモヤモヤ、というか、誰に負けたのか知らないが、心の敗北感だけは、消えなかった。


こういう調教を思いつくのはいいが、後先をちゃんと考えろ。ということだ。

これは、私が「鞭のような苦痛を与えるときには、何かの罰であるべきだ」なんて思っていることに起因している。

別に、そんなことを思わずとも、ただ単に、”奴隷を鞭で打ちたい”、”苦痛に歪む奴隷の顔を見たい”と思ったら、シンプルに、そうすればいいのだ。

実際そうしたこともあるのだし。

でも、やっぱり、こういう事を考えてしまうことが多い。

こんな風に、やらかした調教を思い出すと、本当に、私は、色々と考えすぎる、ややこしい御主人様だったのだなと思う。


ちなみに、奴隷が靴べらを最初から”鞭”だと言ったのは理由がある。

私は鞭と称して、色々なものを使った。SM用の鞭も何種類かあったし、乗馬鞭や、靴べらや、孫の手、ハエたたきなんてこともあった。

緊縛用の縄を鞭のようにして使ったこともある。

叩く部分がひも状の鞭は、それはそれで良いのだが、奴隷の尻を叩くようなときや、距離が短い時には、ちょっと不便に思っていた。

また、一筋の傷をつけるような使い方ではなく、スパンキングように平面で叩きたいときには、ちゃんとした鞭は不向きだ。

だから、手頃な長さと、硬さ、先が平べったいということで、靴べらや、孫の手なんかは、ちょうど良かった。

ハエたたきはどちらかと言えば、苦痛よりも、屈辱を与えるのに使う。

こんな感じで、鞭といっても、色々と用途によって、使い分けていた。

でも、奴隷にとっては、全て”鞭”なので、この時も、奴隷は、靴べらを鞭と言ったのだった。

鞭も、使い方によっては、かなりの調教効果があるのだが…。

特に嫌いなわけではなく、普通にやったのだが…。

私は、どうも鞭使いは、下手だったような気がしないでもない。

実際の振り方という意味ではなく、使う場面の選び方、という意味で。

テーマ:SM - ジャンル:アダルト



”恋は盲目”なんて、よく言ったものだなと思う。

私は、冷静な自分というのを失った付き合いというのは、したくないと思っている。

でも、それは、相手にのめり込まないとか、想いを向けないとか、愛情を出し惜しみするとか、そういうことではない。

また、行為の最中に欲望を出さないということでもない。むしろ、私はS的な欲求も性的な欲求も強いと思うので、それを出さずにいるのは無理だ。

ここで言う、”盲目”というのは、相手の良いところも、悪いところも含めて、ちゃんと見る、知る、それについて考える、ということを放棄しているという意味で私は使っている。

相手の悪いところを見ないように目を瞑る、また、見たとしてもそれを黙って流す、ということ。

いつのまにか、そうなってしまっていたことは、私にもあったが、少なくとも冷静な時の私は、そうしたくないと思っていたし、今も思っている。

相手のすべてを無条件に肯定する、盲目的な付き合いが、最高の幸せなのかもしれないが、もしもそうだとしても、私はそれはいらない。

別の方法で最高の幸せを手に入れることを考える。

奴隷のすべてを知リたいと思ったら、受け入れたいと思ったら、良いことばかりではなく、悪い部分にも目を向ける。悪いことは悪いと言う。

もちろん、コンプレックスをほじくり返すとか、そういうことではない。

奴隷がやりがちなことで言えば、表の世界を犠牲にして、御主人様のためにと何かをしようとすること。

私の奴隷の場合にもあったのだが、私が奴隷を使おうと思って、たまたま呼び出した日(休日だと思っていた)に、本当は奴隷に大切な仕事が入っていたのだが、それを隠して、私と会うのを優先したこと。

あとで、そうだったことが分かった時、私は本気で奴隷を叱った。

私は奴隷の良い面だけを見ていてはいけないと思う。

悪い面も見ないといけないと思った。

奴隷を、受け入れるということは、多分そういうことだと私は思う。

そして、それは奴隷も同じだ。

御主人様に対して、盲目になってはいけない。

御主人様の命令をきく。

御主人様の言うとおりにする。

それは、プレイとしてはいいと思う。また、主従の心構えとしては、御主人様に従うという意味で、必要なことでもあると思う。

でも、御主人様の言ったこと、やっていることが、明らかにおかしい時。

そのことが、奴隷として考えたとしても、許容できないものである時。

御主人様を否定する必要があると私は思う。

まっとうな評価のない関係は、緊張感を失わせる。

それは、関係の崩壊を招きやすい。

御主人様を信じているのは構わない。むしろ信じないなら、奴隷などやめたほうがいいと思う。

でも、盲目的に御主人様を神聖視するのは、危険だ。

御主人様は神様じゃない。

間違いも犯すし、迷っていたりもする。

私なんかは、いい例だろう。

ブログに書いたとおり、やらかしまくっている。考えすぎている。たくさん迷って頭を抱えたことも何度もある。ただ単に、それを必死で隠して、バレないように立ちまわっていただけだ。

でも、奴隷は、そんな私をある程度、見抜いていたと思う。

見抜かれていたことは、私としては面白くないし、恥ずかしい部分ではあるが、今にして思えば、見抜いていてくれて、良かったと思う。

最近書いたことで言えば、理沙の話の最後の時、私が理沙を見送りに行かないつもりだったことに対して、美佳が、いつもの美佳らしくない主張までして、私を半ば強引に見送りに行かせたことなんかがそうだ。

後から考えると、あの時、もしも、私が、理沙を見送りに行かなかったら、きっと後悔していたと思う。

私は、理沙の前で、未練がましくて、かっこ悪い自分を出したくないということだけで、行かないことにしたのだから。

それを、美佳はちゃんと指摘してくれた。

だから、あの時の美佳には、本当に救われた。私の意地っ張りな部分をしっかりと見抜いて、後悔しなくていいようにしてくれた。

例えば、こんなことだ。

小さな不備をいちいち指摘されると、主従の雰囲気が悪くなる可能性はあるが、決定的な御主人様の間違いに目を瞑り、指摘しないで見過ごした場合、雰囲気が悪くなるとか言っている場合ではなくなることがある。

主従関係自体が危うくなったり、表の世界に問題が出てきたりもする。

だから、たとえ奴隷でも、それは指摘しないといけないと思う。

私の場合には、上記の美佳のようなこと以外にも、奴隷が指摘してくれて、大きな間違いを犯さずに済んだこともある。

私としては、いつも上位者として接している奴隷に対して、否を認めるのは嫌だし、恥ずかしいし、情けない。

御主人様としてのプライドを傷つけられることだから、とにかく辛いのだが、それでも間違いを認めず、また気づかずに、奴隷との関係が崩れるようなことになるのは更に辛い。

奴隷も、奴隷という立場上、私にそれを指摘するのは多分、苦痛だったと思う。

きっと、私の意図を守ること、常に服従させられていることが、奴隷として気持ちいい部分でもあったのだ。

それでも、必要なときに、ちゃんと指摘してくれたことには、本当に感謝している。


私が、以前、オフ会などでお話をさせていただいた奴隷の方や、ブログを始めてから、頂くメールでのご相談の中に、かなり多く見かけることがある。

それは、御主人様に「何も聞けない」「何も言えない」ということ。

御主人様の住んでいるところも、どんな仕事をしているのかも、わからないとか、そういう方が、結構な数、いらっしゃる。

なぜわからないのか?と、うかがえば、「御主人様がおっしゃらないから」とか、「御主人様にそれを質問してはいけないと思っている」とか、「質問するのはおこがましい」とか、そういうことを考えておられる。

本当に、奴隷らしい、奴隷だと思う。

でも、同時に、危ないなと思う。

別に、住んでいるところがわからなくても、仕事を知らなくても、主従関係という意味では重要ではないだろう。

私が危ないと思うのは、そんな簡単なことを聞くことすらできないという状況に陥ってしまっているということに対して。

それすら聞けないということは、御主人様の間違いを指摘するなど、不可能だろうと思う。

それに、これは、御主人様のことを知る機会が圧倒的に少なくなるということだ。

知らない相手を、本気で信頼するのは、ものすごく難しいことだと思う。

少なくとも、私には無理だ。

そして、知らなければ、やっぱり、何も言えなくなる。

言葉だけ、話すことだけが、御主人様を知る方法ではない。

だから、質問できないから、話ができないから、全てダメだとは言わない。

他の方法があるならそれでもいい。

ただ、とにかく、奴隷も、御主人様のことをちゃんと見ていないといけないと思う。

知らなければいけないと思う。

コミュニケーションをとらないといけないと思う。

御主人様というのは、奴隷に対して、なんでも聞きやすい(というよりも、言わせることができる)立場だと思うが、奴隷は御主人様に対して、そういうことができない場合も多い。

奴隷が、なかなか、御主人様に聞けない状況というのは、私もわかる。

また、なかなか、意見を言う事もできないのは、主従という、関係上、当然かもしれない。

奴隷という立場を、自覚すればするほど、”奴隷らしく”いようと思えば思うほど、聞けなくなり、言えなくなる。

私の奴隷の中にもいた。

なかなか、私に、そういう話ができなくて、そのままにしていた。

だから、そういう風になってしまう奴隷の心境は想像できるのだが…。

”奴隷”という立場であるだけで、そんなことになりがちになるからこそ、特に、奴隷は、気をつけないといけないと思う。

自分が心身を捧げている相手は、”何なのか?”を、しっかりと目を見開いて、深く知るべきだと私は思うし、必要なときに必要なことを言えないといけないと思う。

捧げること、委ねること、と、相手を知ったり関係を考えるのを、放棄してしまうこととは違う。

また、御主人様も、奴隷に指摘されるのは嫌かもしれないが、奴隷が、何かを言いたい時、聞きたい時には、きちんと言えるような余地だけは、残しておくほうが、私は、よりよい関係を長く続けられるのではないかと思う。


奴隷になって、目を瞑ったまま、御主人様にされるがままになっているのが、もしかしたら、奴隷にとって、一番の快感なのかもしれない。

そういう状態を求めて、奴隷になる人も居るのかもしれない。

でも、私は、ちゃんと目を開けて、目の前にいる、御主人様をしっかりと見て、それをちゃんと知っているほうが、より深く繋がれるのではないかと思う。

テーマ:主従関係 - ジャンル:アダルト

このブログについて

著者:vet

 ※このブログには、エロ動画やエロ画像、官能小説のようなものは一切無いが、内容が内容なので、SMや主従関係という、恋愛の形に不快感を覚える人、違う世界の話だと思う人などはすぐにブラウザを閉じて、このブログのことは忘れるように。

 私は以前、牝奴隷を飼っていた元”御主人様”。でも、今は飼っていない。奴隷を手放した経緯とか、過去の奴隷の話、そのときの気持ち、奴隷への想い、今だから考えられること、言えること。書きたいことを書きたいままに綴るブログ。
 また、今、これを書いている私の現状について、ご質問を頂くことが結構あるので、それについては、
 ◆私について
というカテゴリの中に、”現状の私”というエントリーにして書いておいた。このカテゴリには、私自身のこと(私の好みや、調教の方針など)をメインに書いているエントリーを入れてあるので、興味のある方がいるかどうかは分らないが、もしも気になるなら、見ていただければと思う。

 SM話はストイックになりがちなので、多少軽いタッチのコラムも交えて書いてみようと思う。奴隷を飼っていない今だから書ける御主人様の本音などをできるだけわかりやすく、そして正直に。今、奴隷になっている牝や、御主人様を探しているM女なんかには、御主人様の側の気持ちが少しは分かってもらえるかもしれない。ちなみに、私は理系的な思考傾向なので、考えすぎることが多く、そのために、なにやらややこしいことになることも多々ある。そのあたりも笑って読んでもらえれば、幸い。

 メールやコメントなども楽しみにしている。気軽な恋愛話、気楽なSM話から、SMや主従関係のこと、Mであることなどについての悩みや、相談、質問など、真面目なお話まで、どんなことでも、しっかり伺おうと思っている。恥ずかしいとか、こんなことを言っては変に思われるのではないか?とか、考えることもあるかも知れないが、私は、それなりに長くSMや主従関係の世界に居たので、それほど驚くことは無いと思うし、他人と変わっていることでも、変だとは思わないできちんと伺うつもりなので、メールやコメントは、遠慮せずに送ってくださればと思う。

 リンクフリーなので、気に入ったら、好きにリンクしてくださればと思う。言っていただければ、私からもリンクするので、そういう意味でも気軽に声をかけてもらえれば幸い。

 このブログは、私が奴隷と過ごした日々を時系列で綴った続き物の話と、SMに関するちょっとした小話や、SMに対する私の考えや体験、見聞きした面白い話題などを個々に書いた単発物のコラムとが混在している。

 続き物の話は、エントリーの題名に第何話という番号が書いてあり、以下のカテゴリにまとめてある。
 ●最初の奴隷
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 奴隷と私とのストーリーを読みたい場合にはこちらを読んでもらえればと思う。

 単発物のコラムは、以下のカテゴリにまとめてある。
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 奴隷のためにも、そして御主人様のためにも、本当に無茶なことはしないで、幸せなSMを楽しんで欲しいと願っている。

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