理系Sの牝奴隷には言えない話
元、”御主人様”だったvetのSMに関するいろんな話。
はじめに

 いらっしゃいませ、とでも書くべきだろうか。とにかく、あなたが見に来てくれたことは素直に嬉しい。ありがとう。

 このブログはSM、男女の主従関係に関することを主に取り上げて書いている。なので少しアブノーマルだ。だから、初めてこのブログを訪れた人は、右側の欄の”このブログについて”をまずは読んで、それに同意できた場合のみ、読み進めて欲しい。

 また、このブログ、少々ややこしい構成になっている。そのあたりも説明してあるので、それも理解してから読んでもらえればと思う。説明を読んで問題がなければ、二度目以降からは以下のエントリーを好きなように読んでもらえればそれでOK。

 AVや他の本格的なSM系サイトなどとは、多少違った視点からのSMの世界を知ってもらえれば、幸いだ。特に読者を指定するつもりはないが、御主人様を探しているM女などにはSMの実態を知るということで、参考になるのではないかと思うので、御主人様を選ぶ前に、SMの世界に飛び込む前に読んでもらえれば嬉しく思う。

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私の洗濯物についたタバコの匂いから、幸一の影を察知したと思われる理沙。

家事をしている間は、少しうつむき加減だったのだが、

洗濯や掃除を終え、食事を作ってそれを食べるときになると、表面上の明るさは取り戻していた。

楽しそうに話をする。

だが、私にはそれが、何か無理のあるものに見えて仕方がなかった。

本当の理沙の屈託の無い明るさではないように思えた。

実際、普段と同じではなかったように思う。

でも、理沙に、幸一のことに気がついたかどうかを聞いてしまえば、私と理沙の関係も終わってしまうのではないか?という危惧が、私の胸を締め付けていた。

理沙の存在というのは私の中でとても大きなものだったから。

そうなるのが怖かった。

でも、理沙の態度がいつもと違うのは明らかで、それを放置することも私にはできそうになかったのだった。

どうしても聞きたいという欲求が頭を駆け巡る。

相反する二つの気持ちが私の中で葛藤していた。

だが、結局、私は聞きたいという欲求には勝てなかった。

何事も確かめずにはいられないという、私の性格が、そうさせたのだろうと思う。

だから、しばらくして、搾り出すように理沙に声をかけた。

「理沙、気がついたか?」

と。

「…」

理沙は口に出しては何も応えなかったが、一瞬ビクンとしてから、みるみるうちに強張っていくその表情は、答えを物語っていた。

私は不安をなんとか押さえ込みながら言葉を続けた。

「幸一が…。幸一が、日本に帰ってきている」

理沙の目を見てゆっくりと言った。そのことに理沙があまり興味を示さないで欲しいと願いながら。

それに対して、理沙は、

「そうですか。幸一さんが帰っていらしたのですか」

と、努めて何事でもないかのように。無視するかのように言ったのだった。

その反応は私の望んでいたものではあったのだが、言われてみると、逆に無理矢理に言っているように感じてしまい、そこをさらに追求せざるを得ない心境に私を追い込んでいった。

「気になるんだろ?」

「いいえ…」

「嘘をつくな。ワイシャツのことを俺に聞きに来てからの、その顔、元気のなさ、全部そのせいだろ?」

私は、吐き出すように言った。

「で、でも、今は私は御主人様のものです。それ以外の方のことなど、私には関係ありません!」

理沙は自分に言い聞かせるかのごとく、強い口調でそういった。

この答えも、私の望んでいたものだ。だが、それをいう理沙の態度は言葉の通りにそれを受け止めるには、難しい物だった。

「関係ないなら、余計にその反応はおかしい」

この言い方は多分かなり意地の悪いものだったと思う。でも、そう言わずには居られなかった。

「御主人様、そんな…」

理沙は泣き出していた。

理沙にも、幸一との思い出はたくさんあるのだ。それを押し込めて私の奴隷になっているのはわかっていた。

私は、それをほじくり返すようなことをしている。

そして、同様に、自分の胸もほじくり返しているのだった。

だが、それでも、私は続けた。

「会いたければ、会えばいい。俺は、それを止めるつもりは無い。会わせてやる。もちろん、会いたくなければ、会わなくてもいい。それは、理沙が決めることだ。でも、無理矢理に知らないフリをして、無視しようとするのはやめろ。特に俺が今はお前の御主人様だからだとか、そういうことでの遠慮はされたくない」

これは理沙を渡したくない私の本心ではなかったかも知れない。でも、しっかりとしたけじめをつけたいという私の気持ちが言わせた言葉だった。

「申し訳ありません。でも、私、混乱して、どうしていいか分からなくて…」

理沙は涙を拭きながら、私の顔をじっと見つめる。

それをしっかりと見返してやりながら、少し優しい口調にして、理沙に言い聞かせるように私は言った。

「別に今すぐに会えとか、会うなとか、そういうことを言ってるんじゃないんだ。それに幸一がどこにいようと、今、お前が俺の奴隷だということに変わりはない。ゆっくりでいいから、無視しないで自分の本当に素直な気持ちに従えと言っているだけだ。自分の心をあまりいじめるなよ。無理矢理に押し込めたりするな。心のままに、気持ちのままに…。な?わかったか?」

「はい…」

「幸一はしばらく日本にいる。だから会いたければいつでも会えるし、その段取りは付けてやる。それだけ、伝えておくから。あとはどうしたいのか、自分で考えろ。もちろん、ゆっくりでいい」

「わかりました。ありがとうございます」

それでその時の話は終わった。というよりも、私はそれ以上、この話をしているのが辛かった。

だから終わらせたようなものだった。

すると、理沙は先ほどのことが嘘のように明るくなった。

切り替えが早い。

このあたりは、色々と考え込む美佳とは違う点だった。そして、そのことが私には嬉しくもあり、ホッとさせてくれるものでもあった。

理沙にはこれだけ言ってやれば、後は自分で結論を出すのだろうと思えた。

そして実際、理沙は、それから一週間も経たないうちに結論を出した。

「幸一さんに会ってみたいです」

と。

私の最も望まない結論を。


テーマ:支配と服従 - ジャンル:アダルト

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[2013/01/25 10:56] | [ 編集 ]

>2013/01/25 10:56にコメントくださった匿名希望さんへ
読んで下さって、ありがとうございます。
私の体験談ではあるのですが、傍から見ると、珍しい話もあるのかもしれませんから、小説のように見ていただいてももちろん構いません。読んでいただけるだけで光栄ですから。
私の行動というのは、この時の私の限界でもあります。
多分、他の人であれば、また別の行動をするのだと思います。
ですから、私が良いかどうか?はやっぱりわからないのですが、同じように女性の視点から見て、匿名希望さんのように思っていただけるならば、私はあの頃の自分で良かったのかなと思えるので、とても嬉しいです。ありがとうございます。
[2013/01/26 22:35] URL | vet [ 編集 ]














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著者:vet

 ※このブログには、エロ動画やエロ画像、官能小説のようなものは一切無いが、内容が内容なので、SMや主従関係という、恋愛の形に不快感を覚える人、違う世界の話だと思う人などはすぐにブラウザを閉じて、このブログのことは忘れるように。

 私は以前、牝奴隷を飼っていた元”御主人様”。でも、今は飼っていない。奴隷を手放した経緯とか、過去の奴隷の話、そのときの気持ち、奴隷への想い、今だから考えられること、言えること。書きたいことを書きたいままに綴るブログ。
 また、今、これを書いている私の現状について、ご質問を頂くことが結構あるので、それについては、
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 SM話はストイックになりがちなので、多少軽いタッチのコラムも交えて書いてみようと思う。奴隷を飼っていない今だから書ける御主人様の本音などをできるだけわかりやすく、そして正直に。今、奴隷になっている牝や、御主人様を探しているM女なんかには、御主人様の側の気持ちが少しは分かってもらえるかもしれない。ちなみに、私は理系的な思考傾向なので、考えすぎることが多く、そのために、なにやらややこしいことになることも多々ある。そのあたりも笑って読んでもらえれば、幸い。

 メールやコメントなども楽しみにしている。気軽な恋愛話、気楽なSM話から、SMや主従関係のこと、Mであることなどについての悩みや、相談、質問など、真面目なお話まで、どんなことでも、しっかり伺おうと思っている。恥ずかしいとか、こんなことを言っては変に思われるのではないか?とか、考えることもあるかも知れないが、私は、それなりに長くSMや主従関係の世界に居たので、それほど驚くことは無いと思うし、他人と変わっていることでも、変だとは思わないできちんと伺うつもりなので、メールやコメントは、遠慮せずに送ってくださればと思う。

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 このブログは、私が奴隷と過ごした日々を時系列で綴った続き物の話と、SMに関するちょっとした小話や、SMに対する私の考えや体験、見聞きした面白い話題などを個々に書いた単発物のコラムとが混在している。

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