理系Sの牝奴隷には言えない話
元、”御主人様”だったvetのSMに関するいろんな話。
はじめに

 いらっしゃいませ、とでも書くべきだろうか。とにかく、あなたが見に来てくれたことは素直に嬉しい。ありがとう。

 このブログはSM、男女の主従関係に関することを主に取り上げて書いている。なので少しアブノーマルだ。だから、初めてこのブログを訪れた人は、右側の欄の”このブログについて”をまずは読んで、それに同意できた場合のみ、読み進めて欲しい。

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 AVや他の本格的なSM系サイトなどとは、多少違った視点からのSMの世界を知ってもらえれば、幸いだ。特に読者を指定するつもりはないが、御主人様を探しているM女などにはSMの実態を知るということで、参考になるのではないかと思うので、御主人様を選ぶ前に、SMの世界に飛び込む前に読んでもらえれば嬉しく思う。

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幸一に会いたいという理沙の希望を受けて、私は幸一に連絡を取った。

それは、電話での話だった。

「今までのタブーを破ることになるけどいいか?」

と、私は切り出した。

「タブー?」

そう聞き返しながらも、幸一も私が言いたいことの意味を理解したような雰囲気が伝わってきた。

私は思い切って言った。

「理沙のことだ」

これを言ってしまったら、私の元から理沙が居なくなってしまうかも知れない。

そんな気持ちが心を占めていたのだが、それでも、私は言った。

苦しかった。

「やっぱり、そうか…」

幸一も少し動揺していた。だが、すぐに返事を返してくる。

「理沙に関しては、vetに完全に譲渡した。俺はもう、何も言うことはないし、好きにしろと言ったはずだけど。なんかあるのか?」

こういう反応を示す幸一に私は救われた気がした。

理沙を幸一に返すようなことが起きないであろうと私に思わせてくれたからだ。

だから、少し気が楽になって、次の言葉を継げたような気がする。

「俺がお前と会ってることが、理沙にばれた」

「は?なんで?俺のこと理沙に言ったのか?」

私と幸一の間では、二人で会っていることは、理沙には内緒にするということが、暗黙の了解だった。

それは、余計な波風を立てないこと、つまり、理沙の心を不必要に揺さぶらないようにという配慮だった。

だから、その配慮を無にしたのか?と幸一は思ったようだった。

もちろん、私はそんなことをするつもりはないから、

「言うわけないだろう。ばれたのは、お前のタバコだ」

別に幸一のせいにするつもりはなかったが、理沙にバレることになった原因を私は告げた。

「タバコ?」

「ああ。理沙がうちに来たとき、洗濯しようとして、この間、会ったときに俺が着ていたワイシャツをみつけられた。俺はタバコ吸わないからな。お前のあの、変なタバコのにおいですぐに分かったらしい」

「そうか…。迂闊だった。悪い」

「いや、お前を責めてるわけじゃない。俺も、そこまでは気づかなかった。俺も、もう少し配慮するべきだったよ」

「それで、理沙は何か言ったのか?」

幸一が気にしたのはやっぱり理沙だった。理沙の気持ちに何か余計な変化があっては困ると思ったのだろう。

それに対して、私は、理沙の様子のそのままを伝えた。

「最初は、幸一に関しては何も無い、気にしていないと言って、無視しようとしていた」

「うん。そうだろうな。その方が俺もありがたい」

「でも、俺は、そんな理沙に、無視するなと言った」

「なに?!なんで?」

「無視しようとしていた理沙の態度があからさまにおかしかったからだよ」

「おかしかったって?」

「無理矢理に気持ちを押し込めて、お前のことを強引に無かった事にしようとしているのが見え見えだったから。あんな態度を取られて、お前のことを気にしてないなんて、俺には絶対に思えなかった」

「そうか…」

「だから、無視しようとするなと伝えた。きちんと考えた上で、気にしないなら気にしない、気になって、何かしたいと思うようなら、その気持ちに素直に従うように言ってやった」

「そんなふうに接しているのか…。理沙のこと、大切にしてるんだな」

「当たり前だ」

「ありがとう…」

幸一は、その瞬間だけ、元御主人様としての気持ちが出ていたのだと思う。

私に理沙を譲渡して、その理沙を私がしっかりと扱っていることに、幸一は安堵していたようだった。

「お前に礼を言われる筋合いじゃないけどな。今は俺の奴隷だから、俺が好きにしているだけだ」

幸一が一瞬見せた、元御主人様としての態度に、私はやっぱり不安を煽られていた。

だから、この言葉は、私の強がりだったように思う。

理沙を失いたくない、理沙は私のものだという、強い気持ち。

それが、そのまま出ていたのだと思う。

表面上、冷静に話をしているようだが、私の心は揺れていた。

「そうだな。今更、俺が礼を言うことではないか。でも、vetに譲渡して良かった」

「まあ、それはいいよ」

「で、それだけなら、わざわざ俺にいうことではないんじゃないのか?理沙は、それで気にしないってことになったんじゃないのか?」

「本当にそう思うか?」

「違うのか?」

「ああ。理沙は、お前に会いたいと言っている」

「会いたいって!なんで?」

「それはわからない。何を話したいのかも知らない。でも、会いたいそうだ。どうする?」

「はぁ…」

幸一は深いため息をついた。

理沙のこと、結婚まで考えた末に別れを決断した奴隷だったのだ。

こうして再会を要望されて、何の思いもわいてこないわけが無い。

しばしの沈黙。

私には、その沈黙が、とても長く感じた。

幸一がどんな結論をだすのか?それが、気になって仕方がなかった。

そして、決断は早かった。

「会うよ。でも、もちろん、vetの奴隷として。俺は元御主人様としてではなく、普通の友人として。そのことは理沙に伝えておいてくれないか?」

この幸一の答えは、私にとっては非常に複雑なものだった。

幸一が理沙と会うのを断ってくれれば、それで私はホッとしたのだろうと思う。

だがそうではなかった。

幸一も理沙と同様、私の望みとは逆の結論を出していた。

胸が、また締め付けられる思いがした。

でも、その一方で、幸一は理沙をもう奴隷としては見ていないということを明確に宣言している。

それが、理沙を手放したくない私にとっては、唯一の救いだった。

だから、私は決断できたのだと思う。

理沙と幸一を会わせることを。

「ああ、わかった。じゃあ、会うことにしよう。また連絡する」

ということで、幸一と、私と理沙、3人で食事をすることが決まったのだった。


テーマ:SM - ジャンル:アダルト


はじめまして。
最初からここまで一気に読んでしまいました。

何と言うか「純愛」だと思いました。

美佳さんも理沙さんもどうなってしまったのか凄く気になります。
更新心待ちにしております。
[2011/03/22 01:38] URL | [ 編集 ]

はじめまして。読んでくださって、ありがとうございます。

純愛ですか。
そう言われると、ちょっと照れくさいですね。でも、なんだか嬉しいです。
私自身は、当時、そういう風には思っていなかったというか、自分のしていることへのちゃんとした評価というのは、あまりしていなかった気がしますので、今になって、こうしてブログに書きながら確認している感じです。

美佳と理沙の今後は、徐々に書いていきますので、ゆっくりお付き合いいただければと思います。
今後とも、どうぞよろしくお願いします。
[2011/03/22 15:43] URL | vet [ 編集 ]














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このブログについて

著者:vet

 ※このブログには、エロ動画やエロ画像、官能小説のようなものは一切無いが、内容が内容なので、SMや主従関係という、恋愛の形に不快感を覚える人、違う世界の話だと思う人などはすぐにブラウザを閉じて、このブログのことは忘れるように。

 私は以前、牝奴隷を飼っていた元”御主人様”。でも、今は飼っていない。奴隷を手放した経緯とか、過去の奴隷の話、そのときの気持ち、奴隷への想い、今だから考えられること、言えること。書きたいことを書きたいままに綴るブログ。
 また、今、これを書いている私の現状について、ご質問を頂くことが結構あるので、それについては、
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 SM話はストイックになりがちなので、多少軽いタッチのコラムも交えて書いてみようと思う。奴隷を飼っていない今だから書ける御主人様の本音などをできるだけわかりやすく、そして正直に。今、奴隷になっている牝や、御主人様を探しているM女なんかには、御主人様の側の気持ちが少しは分かってもらえるかもしれない。ちなみに、私は理系的な思考傾向なので、考えすぎることが多く、そのために、なにやらややこしいことになることも多々ある。そのあたりも笑って読んでもらえれば、幸い。

 メールやコメントなども楽しみにしている。気軽な恋愛話、気楽なSM話から、SMや主従関係のこと、Mであることなどについての悩みや、相談、質問など、真面目なお話まで、どんなことでも、しっかり伺おうと思っている。恥ずかしいとか、こんなことを言っては変に思われるのではないか?とか、考えることもあるかも知れないが、私は、それなりに長くSMや主従関係の世界に居たので、それほど驚くことは無いと思うし、他人と変わっていることでも、変だとは思わないできちんと伺うつもりなので、メールやコメントは、遠慮せずに送ってくださればと思う。

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 このブログは、私が奴隷と過ごした日々を時系列で綴った続き物の話と、SMに関するちょっとした小話や、SMに対する私の考えや体験、見聞きした面白い話題などを個々に書いた単発物のコラムとが混在している。

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