理系Sの牝奴隷には言えない話
元、”御主人様”だったvetのSMに関するいろんな話。
はじめに

 いらっしゃいませ、とでも書くべきだろうか。とにかく、あなたが見に来てくれたことは素直に嬉しい。ありがとう。

 このブログはSM、男女の主従関係に関することを主に取り上げて書いている。なので少しアブノーマルだ。だから、初めてこのブログを訪れた人は、右側の欄の”このブログについて”をまずは読んで、それに同意できた場合のみ、読み進めて欲しい。

 また、このブログ、少々ややこしい構成になっている。そのあたりも説明してあるので、それも理解してから読んでもらえればと思う。説明を読んで問題がなければ、二度目以降からは以下のエントリーを好きなように読んでもらえればそれでOK。

 AVや他の本格的なSM系サイトなどとは、多少違った視点からのSMの世界を知ってもらえれば、幸いだ。特に読者を指定するつもりはないが、御主人様を探しているM女などにはSMの実態を知るということで、参考になるのではないかと思うので、御主人様を選ぶ前に、SMの世界に飛び込む前に読んでもらえれば嬉しく思う。

 私への意見や質問、相談、その他の話などがある場合には、右側の欄の中段あたりにある”管理人、vet宛メール”のところのリンクから、メールフォームにいき、メールを送っていただければと思う。メールフォームは2つ用意してあるが、どちらから送ってくださっても構わない。また、各エントリーのコメント欄に書いてくださってもいいので、気軽に話しかけてくれればと思う。


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私に、理沙を捨てることも選択肢の一つだと言われた幸一はかなり動揺していた。

もちろん、私は理沙を捨てることなど、本気では思っていなかったのだが、そうでも言わなければ、幸一の本心を引き出せないと思ったから、あえてショッキングな話を持ち出したのだった。

「もちろん、理沙はvetの奴隷だから、捨てるのも、vetの自由だ。だから、俺は何も言えない…」

本当に苦しそうな顔をして、幸一が言った。

その顔は、今まで、幸一が見せたことのないくらい苦渋に満ちたものだった。

そして、その表情は幸一の中に、理沙への想いがあるから作られているものだ。

「だから、何も言わなくていいのか?って言ってるんだよ」

「どういう事だ?」

「言いたかったら言えばいいだろう。理沙のことで、俺に遠慮するのはもうやめてくれないか」

「俺は遠慮なんてしていない。ただ、あの時、vetに理沙を完全に譲渡したという、約束を守りたいだけだ」

「だから、それが遠慮だろ?俺はあの時のことにいつまでもこだわって欲しいとは思っていない。あの時はあの時。最初は断ったけど、最終的に、俺は納得して理沙を受け入れた。俺の意志で。だから、幸一に理沙を押し付けられたなんて、思ってない」

「じゃあ、どうすればいいって言うんだ?」

「お前の理沙への本当の気持ちはどうなんだ?それが聞きたい」

「だから、別れたときに気持ちにも全てケリは付けた。理沙に関してはもう関係ない」

「でも、そのケリをつけた理由は、ヨーロッパとの間での、超遠距離恋愛になるとか、結婚して連れて行くことが出来ないとか、そういうことがあったからだろ?それが、今は解消されている。状況が変われば、気持ちも変わるのも不自然なことじゃない」

「でも、今は理沙はvetの物だ。それを俺がどうこう言えるわけ無いだろう」

「だから、どうこう言えって言ってるんだ。俺のことを気にせずに」

「vet、なんでだ?なんでそこまで言う?」

「理沙の幸せのためだから」

「理沙の、幸せ…」

幸一は、神妙な顔でそう繰り返した。

幸一だって、理沙の幸せを望んでいないわけではない。むしろ強く望んでいることを、その顔が物語っていた。

「はっきり言うぞ。理沙は、お前のところに居るほうが、幸せなんじゃないかと俺は考えたりもしている。だから、お前の気持ちを聞きたいと思っている。今でも理沙を想っているのかどうか」

「まさか、お前、俺に理沙を返す気でいるのか?だから、捨てるって…」

「ああ、そうだ」

「俺は、あんなに無理を言ってお前に理沙を押し付けたようなものなんだぞ。それに、この2年近く、理沙を本当に大事にしてくれていたのが、俺にもわかる。都合が良くなったからと言って今更返してもらうなんて、出来るわけ無いじゃないか」

「それが、理沙の本当の幸せじゃないとしてもか?その変な意地のために、理沙が本当に幸せに思う状態になれなくても構わないということか?」

「…」

「俺は理沙のことを考えている。だから、幸一にも理沙のことを考えて欲しいと思っている」

「でも、vetの気持ちはどうなるんだ?理沙のこと、なんとも思ってないわけじゃないんだろ?」

「もちろん。理沙のことは、大切だし、かけがえのないものだと思っている。正直に言えば手放したくはないよ。でも、理沙の気持ちが幸一にあって、幸一の気持ちも理沙にあるなら、俺はただ、二人を邪魔しているだけだろ? なのに御主人様だ、なんて言ってるのは、惨めすぎる。そんな存在にはなりたくない」

「vet…」

「俺だって、好きでこんな事言ってるわけじゃない。ほんとは言いたくない。でも、幸一のことで動揺する理沙の様子を見ていたら、あいつの幸せはどこにあるんだろうって、考えざるを得なくなった。だから、幸一の本当の気持ちを聞きたい。今でも理沙のことを思っているのかどうか。もちろん、思っていたとしても、俺が理沙を手放せないかも知れない。それすらまだわからない状態なんだよ。俺だってどうすればいいか混乱してる。でも、お前の気持ちを聞かないことにはなにも始まらないって思った。だから、こうして聞いてるんだ」

「そうか…。わかった」

そう言って、幸一は、沈黙した。私も幸一が口を開くのを待った。

そして、少し経ってから、幸一が重い口を開いた。

「理沙のことは…。吹っ切ったって言ったけれど、本当は、ずっと考えていた。あっちに行ってからも、こっちに戻ってきてからも。だから、俺も愛している。今でも。取り戻せるなら、取り戻したいと思っている…」

搾り出したような言葉だった。幸一の表情からは、それが本心だとわかる。

でも、同時に、私に対して申し訳ないという気持ちも、そこに現れているのがありありと伺えた。

だから、こうも言った。

「でも、vetに譲渡したことも、すごく重いことだと思っている。それに、vetが理沙を大切にしていることも。だから、俺の都合で返してくれとは、やっぱり言えない」

「そうか。でも、もしも、理沙を幸一のところに戻したら、あいつを大事にしてくれるってことだよな?」

「それは、もちろんだ。前と同じように、大切にする」

「もしも、前の時みたいに、理沙が、結婚することを望んだら、それも叶えてやれるか?」

「ああ。一度は考えたことだし、理沙が望むなら、当然、そうするし、俺もそうしたい」

「それを聞いて安心した。これでちゃんと考えることが出来る」

「でも、本当に、俺に返してくれるつもりなのか?」

「わからない。俺の理沙への想いもあるから。だから、すぐに結論は出せないと思う。ここまで言っておいて悪いんだが…」

「それは構わないよ。vetに譲渡したことは事実だから。vetの気持ちで決めてくれればいい」

「もちろん、そうする。というよりも、あとは理沙の気持ち次第だな」

「そうか…。なんか、申し訳ないよ。vetをこんなに悩ませる事になっているなんて…」

「それはお前に心配されることじゃないな。自分の奴隷のことを考えて悩むのは、当然のことだと思うし」

「やっぱり、悪い…」

「いいよ、気にするな。それより、幸一の本音が聞けて良かったよ」

「本当に、俺が、あんな事言って良かったのか?そんな権利はないように思っているんだけどな…」

「権利?そんなの誰にでもあるんだと思う。言うだけは、好きに言えばいい。想いを口にすることは悪いことじゃないだろう。好きなものは、好きなんだから、仕方が無い。それが他人の女でも」

「それは、お前の本音か?」

「そんなわけないよ。一般論だ。本音をいえば、理沙のことに関しては、誰にも何も言われたくないし、誰にも渡したくない」

「俺に本音を言わせておいて、お前はそれか。最低だな」

幸一が、そういって笑った。

「でも、ここまで言わないと、お前は何も言わなかっただろ?」

「それもそうだ」

「だから、これはこれでよかったんだと思う」

「そうか」

「そうだ」

そう言って、私も幸一も、ほっと息をついた。

本当は、これよりも、かなり長い話だったし、こんな風に説明っぽく話したわけではないのだが、わかりやすく要約すれば、こんな感じになるだろう。

幸一とは、なんとか穏やかに話をすることができた。喧嘩になることも覚悟していた私だから、こうして、話が進んだのはありがたかった。

もちろん、私の心境としては心穏やかなものではなかったのだが、幸一が腹を割って話してくれたことは、素直にありがたいと思った。

私が判断するための材料が揃ってきたのだから。

そして、私の思考は最後の相手のことに移る。

あとは、理沙。

理沙の本心をどう聞き出すのか。

それを次に考え始めたのだった。


テーマ:支配と服従 - ジャンル:アダルト

はじめまして
vetさん、はじめまして。mimiと申します(^O^ )
恋愛ランキングで1週間くらい前に見つけて夢中で読みました。
やっと、最新記事に追いつきましたぁ!
引き込まれる文章、奴隷さんたちやvetさんの愛、笑えるお話、どれも素敵です。
それから! コメントとか、ツイッターのvetさんのギャップに萌えです(^-^)
記事はご主人さまっぽいのに、コメントが丁寧すぎ!
ああ、真面目で優しい人なんだって思いました。
お人柄ですね。奴隷さんが奴隷になりたいと思った気持ちわかります。
私はSでもMでもないですけど、それでも奴隷になっちゃいそうでしたもんw
いや、もはや奴隷ですよ、もう。って、私ではご迷惑ですね。
ゴメンナサイ。お調子者です。

でも、一つだけ気になったのですけど、読んでいくうち、この半年くらいの記事に差し掛かったら、vetさんがとても寂しそうに感じたのデス。
少し感じが変わったみたい。何かあったのかなぁって思いました。
文章が変とか面白く無いとかじゃなくて。
むしろ面白いのですけど、vetさんが寂しそうな雰囲気が端々から伝わってきました。
私の気のせい?(((‥ )( ‥)))
いきなり変な話ですみません。

続きを楽しみにしてます。それではまた~
[2011/09/01 01:17] URL | mimi [ 編集 ]

>mimiさん
はじめまして。ブログ、読んでくださってありがとうございます。
まずは、色々とお褒め頂き、光栄です。私の文章とかそういうのよりも、過去の奴隷たちのことを素敵だと言ってくださったのが、一番嬉しいです。そういう風に、彼女たちを書くことができているのであれば、ホッとしています。
それから、コメントに関しては…。
私も、常にSではないですので。私がS性を発揮する相手は、奴隷だけですし、ブログのエントリーはその雰囲気で書きますが、それ以外で、普通に他の方とお話をするときには、普段の私です。その切替だけはちゃんとしているつもりです。
それにしても、mimiさん、楽しいですね。私の奴隷って(笑)
これからも、面白いコメント、お待ちしております。

それから、私が最近、寂しそうだと感じられるとのこと。
実は他の方にもメールで言われたのですが…。
ブログにそれが出ているのですかね。
寂しいというと、ずっと独り身ですから、寂しいのは寂しいのです。
でも、それは、ブログを始めた時からですから、ここ半年ということですと、それとも違いますよね。
まあ、私は、大丈夫ですから、あまり深く考えなくてもいいですので。
なんだか、ご心配をおかけしたみたいで、申し訳ないです。
お気遣い、感謝します。ありがとうございます。
今後とも、よろしくお願いいたしますね。
[2011/09/02 00:24] URL | vet [ 編集 ]

吸い込まれるように読んでしまいました.
愛情が伝わってきます♪
[2011/09/05 00:24] URL | Blueberry99 [ 編集 ]

>Blueberry99さん
ありがとうございます。今、こうして書いていると、ちょっと照れくさいし、あまりスマートなやり方じゃないこともわかるので、なんとも、恥ずかしいですが、それでもあの時は、あれが精一杯だったのですよね。ですから、そこから、そのように感じて頂けたことは嬉しいです。
[2011/09/07 12:49] URL | vet [ 編集 ]














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このブログについて

著者:vet

 ※このブログには、エロ動画やエロ画像、官能小説のようなものは一切無いが、内容が内容なので、SMや主従関係という、恋愛の形に不快感を覚える人、違う世界の話だと思う人などはすぐにブラウザを閉じて、このブログのことは忘れるように。

 私は以前、牝奴隷を飼っていた元”御主人様”。でも、今は飼っていない。奴隷を手放した経緯とか、過去の奴隷の話、そのときの気持ち、奴隷への想い、今だから考えられること、言えること。書きたいことを書きたいままに綴るブログ。
 また、今、これを書いている私の現状について、ご質問を頂くことが結構あるので、それについては、
 ◆私について
というカテゴリの中に、”現状の私”というエントリーにして書いておいた。このカテゴリには、私自身のこと(私の好みや、調教の方針など)をメインに書いているエントリーを入れてあるので、興味のある方がいるかどうかは分らないが、もしも気になるなら、見ていただければと思う。

 SM話はストイックになりがちなので、多少軽いタッチのコラムも交えて書いてみようと思う。奴隷を飼っていない今だから書ける御主人様の本音などをできるだけわかりやすく、そして正直に。今、奴隷になっている牝や、御主人様を探しているM女なんかには、御主人様の側の気持ちが少しは分かってもらえるかもしれない。ちなみに、私は理系的な思考傾向なので、考えすぎることが多く、そのために、なにやらややこしいことになることも多々ある。そのあたりも笑って読んでもらえれば、幸い。

 メールやコメントなども楽しみにしている。気軽な恋愛話、気楽なSM話から、SMや主従関係のこと、Mであることなどについての悩みや、相談、質問など、真面目なお話まで、どんなことでも、しっかり伺おうと思っている。恥ずかしいとか、こんなことを言っては変に思われるのではないか?とか、考えることもあるかも知れないが、私は、それなりに長くSMや主従関係の世界に居たので、それほど驚くことは無いと思うし、他人と変わっていることでも、変だとは思わないできちんと伺うつもりなので、メールやコメントは、遠慮せずに送ってくださればと思う。

 リンクフリーなので、気に入ったら、好きにリンクしてくださればと思う。言っていただければ、私からもリンクするので、そういう意味でも気軽に声をかけてもらえれば幸い。

 このブログは、私が奴隷と過ごした日々を時系列で綴った続き物の話と、SMに関するちょっとした小話や、SMに対する私の考えや体験、見聞きした面白い話題などを個々に書いた単発物のコラムとが混在している。

 続き物の話は、エントリーの題名に第何話という番号が書いてあり、以下のカテゴリにまとめてある。
 ●最初の奴隷
 ●二匹目の奴隷
 奴隷と私とのストーリーを読みたい場合にはこちらを読んでもらえればと思う。

 単発物のコラムは、以下のカテゴリにまとめてある。
 ●四方山話:1エントリーでひとつの話
 ●四方山話(続き物):複数エントリーでひとつの話
 短い話を気軽に読みたい場合にはこちらを読んでもらえればと思う。

 単発物のコラムの中でも、SMの技術的な話だけは別にしてある。それは、
 ●SM技術
にまとめておいた。技術的なことに興味のある場合には、こちらを読んでもらえればと思う。

 カテゴリの記事は古い順に並べてあるので、カテゴリ名をクリックしてもらえれば、続き物の記事でも最初から順番に読めるようになっている。


  当ブログ内に書くことは、私が実際にやってみたことや考えたことであって、それが正しいかどうかを完全に検証したわけではない。だから、もしも同じことを試す場合には自己責任で、細心の注意を払って実行して欲しいと思う。SMなので、体への損傷などの可能性もなくはないから。とにかく気をつけて欲しい。そして、このブログ内のことを試して、いかなる不利益が生じたとしても、私、vetは免責されることとする。そのことはしっかりと承知した上で読んでもらいたい。
 奴隷のためにも、そして御主人様のためにも、本当に無茶なことはしないで、幸せなSMを楽しんで欲しいと願っている。

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