理系Sの牝奴隷には言えない話
元、”御主人様”だったvetのSMに関するいろんな話。
はじめに

 いらっしゃいませ、とでも書くべきだろうか。とにかく、あなたが見に来てくれたことは素直に嬉しい。ありがとう。

 このブログはSM、男女の主従関係に関することを主に取り上げて書いている。なので少しアブノーマルだ。だから、初めてこのブログを訪れた人は、右側の欄の”このブログについて”をまずは読んで、それに同意できた場合のみ、読み進めて欲しい。

 また、このブログ、少々ややこしい構成になっている。そのあたりも説明してあるので、それも理解してから読んでもらえればと思う。説明を読んで問題がなければ、二度目以降からは以下のエントリーを好きなように読んでもらえればそれでOK。

 AVや他の本格的なSM系サイトなどとは、多少違った視点からのSMの世界を知ってもらえれば、幸いだ。特に読者を指定するつもりはないが、御主人様を探しているM女などにはSMの実態を知るということで、参考になるのではないかと思うので、御主人様を選ぶ前に、SMの世界に飛び込む前に読んでもらえれば嬉しく思う。

 私への意見や質問、相談、その他の話などがある場合には、右側の欄の中段あたりにある”管理人、vet宛メール”のところのリンクから、メールフォームにいき、メールを送っていただければと思う。メールフォームは2つ用意してあるが、どちらから送ってくださっても構わない。また、各エントリーのコメント欄に書いてくださってもいいので、気軽に話しかけてくれればと思う。


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幸一が、私に理沙への想いを語ってから、私は、理沙の方をより多く調教するようになっていた。

理沙と過ごす時間が長くなった。

その時の私が、何を思ってそうしたのか?というのは、今考えても明確には、わからない部分もあるのだが、

やはり、理沙を幸一に返すことを考えていたから、その前に、理沙との時間をたくさん過ごしておきたかったということもあったように思う。

また、理沙の様子を見ることで、理沙の本心を見極めたいと思っていたところもあったと思う。

そして何よりも、理沙に、幸一の元に戻る話を切り出すタイミングを見計らっていたというのも大きかったようにも思う。

でも、その話は、なかなか言い出せなかった。

普通に会い、普通に話をし、普通に食事などをして、普通に調教をし、普通に性処理に使う。

そして、何も言わずに普通に帰る。

それまでと、さして変わらない理沙との時間の中で、幸一とのことを言い出すきっかけを私は掴みそこねていた。

そのまま時間が過ぎていく。

なにもしないままに、しばらく経っていた。

そんな日々を過ごすうち、私は気がついた。

このまま、何かのきっかけを待っても、なにも変わらないのだろうということ。

私は、何かうまいきっかけづくりができるほど器用ではないし、そんな機転が利く方でもない。

ましてや、理沙の方から、幸一について、何か言って来ることは、絶対にないと思われた。

結局、私が、ストレートに聞くしかないと思うようになった。


そして、ある時、理沙の部屋での調教の時。

調教を終え、性処理を終え、一緒にベッドに横になった。

私は意を決して切り出した。

「理沙、正直に答えろ」

「はい、なんでしょうか?」

その時の理沙は、性交の余韻の中に浸っていたのだが、私の顔が真剣だったから、なにかあるのだろうと、顔を引き締めた。

「俺と、幸一と、どっちがいい?」

本当に、ストレートに聞いてしまった。

理沙が返答に窮するだろうことは分かっていたのだが…。

私は、うまい聞き方ができなかった。

幸一との話の時には、事前に色々と考えて、ある意味、妙な策を練ってそれに幸一をはめたような形で本心を引き出すことができたのだが、奴隷相手となると、勝手が違った。

そんな、策を弄するつもりにはなれなかった。

大切な奴隷にそんなこと、できなかった。

やっぱり、強い感情や想い、愛情が入っていたからだと思う。

私自身が、どうすればいいのか、はっきりした答えを持っていなかったから、結局、こんな聞き方しか思いつかなかった部分もあったと思う。

案の定、理沙は、困惑した表情で、固まった。

でも、私はそれ以外に聞き様がなかった。

だから、繰り返した。

「どっちがいいんだ?素直に答えろ」

と。

それは、理沙を追い詰めるだけの質問だったと、今にしてみると思うのだが、あの時は、やはりそれ以外の聞き方を思いつかなかった。

本当に、頭が悪い御主人様だったと思う。

申し訳なかったと思う。

そんな私に、理沙が最初に言った言葉は、質問への答えではなく、涙と、嗚咽に混ざった、

「御主人様…。なんで、そんなことを…」

という、悲痛な呟きだった。

「ずっと考えていたことだ。お前が幸一のことを想っているように俺には見えている」

「私は、今は、御主人様の奴隷です!」

「そうだな。今は。でも、これから先は、違うかもしれない」

「なんで、そんな意地悪なことをおっしゃるのですか?」

「意地悪か…」

「そうです、意地悪です」

「それなら、意地悪でもいい。質問に答えろ」

「そんな…。もちろん、幸一さんではなく、御主人様です」

「本当か?」

「はい」

「本当に、そう言えるのか?」

「はい。信じてください」

「じゃあ、幸一が、今でも、お前を愛していると言っても、まだ、そう言えるか?」

やっぱり、理沙が言うように、私は意地悪なのだろう。

理沙の気持ちを確かめるための質問で、幸一の話を出すのは、フェアじゃないのかもしれない。

でも、幸一がそう思っているということは、理沙に伝えるべきことだと思った。

「幸一さんが、そんなこと…。絶対に無いです。私と別れるとき、もう、気持ちを吹っ切ると言ってましたから。私は、幸一さんにとっては、もう関係の無い奴隷です」

「でも、あるんだ」

「どういう事ですか?」

「この間、幸一と会って話をしてきた。お前を今でも愛していると、言っていた」

「え…」

理沙の顔が、また、固まった。

今度は驚きの表情で。

そんな理沙に畳み掛ける。

「今でも、取り戻せるのなら、お前を取り戻したいとも言っていた」

「そんな…」

「お前は、幸一に必要とされてる」

「…」

理沙は、絶句した。

そして、起き上がって、ベッドの上に座り込んだ。

私も一緒に起き上がる。

理沙は、顔を覆って泣いていた。

それを、私はただ見つめていた。

泣き止むまで、何も出来ないことが分かったから。


テーマ:支配と服従 - ジャンル:アダルト


実に1ヶ月ぶりに来て読んでなかったエントリーを今日一気に読みました。
というか、大体そんな感じでたまに来て一気読みさせて頂いてます。

人様のこういった話を面白いと言うのはなんか違うのですが
いつも興味深く読ませて頂いております。

また寄らせて頂いた際はコメントさせて頂きます。
ゆっくり更新して頂けると嬉しです。続き待ってます
[2011/09/19 21:31] URL | siroko [ 編集 ]
Vet様と理沙さんの間にあると思われる、
愛情と愛着。

理由なく湧いてくる気持ちと、
それに囚われる気持ち。
時間が培った関係。
それを感じます。

何かを選んだり、
新しいことを始めるのは
切なくて、勇気が要りますね。
失ってしまうかもしれないと感じている時は、
実際のところ失った後なのかもしれないし、
まだ手の中にある状態なのかもしれない。
タイミングひとつも、とても大切ですね。

ストレートに向き合われたのは
とても勇気のいることだと思います。
理沙さんのことを大事に考えておられるから
出来ることだとも。


[2011/09/20 09:37] URL | 智薫 [ 編集 ]
とてもつらそう…
理沙さんはもちろんですけれどvetさんもとてもつらそうに見えます。
vetさんも一緒に泣きたいお気持ちだったのでは?なんて思ってしまいました。
勝手な推測でごめんなさい。
とても胸が痛いです。
[2011/09/20 13:21] URL | 好実 [ 編集 ]


>sirokoさん
1ヶ月分を一気に読まれるのですね。
そういう読み方でも読んでくださるのは、とても嬉しいです。
本当に、お好きに読んでいただければ良いと思っておりますので。

私に関しては、自分の過去や、心と向き合うために書いているので、一概に面白いだけではすまない話ではあるのですが、読んで下さる皆さんには、面白いとか興味深いと思っていただけるのであれば、私はありがたいと思います。
私の過去にお付き合い下さって、光栄に思いますので。

また、今度は1ヶ月後でしょうかね。
コメントを楽しみにしております。


>智薫さん
この時の理沙への思いというのは、本当に複雑なものがありました。
私も、どういうふうに表現すればいいのか、かなり迷います。
この時の気持ちの揺れというのは大きすぎて、書き切れない気がしていますので。
あの時はこう思っていた、と書いても、それを少しして読み返してみると、やっぱり別のことを思っていた、なんて思い出すので、なんとも難しいところですね。
理沙への愛情ということで言えば、なにが愛情なのか?というのが私にもわからない時だったのだと思います。
私と一緒にいることと、幸一と一緒にいること、どちらが、理沙にとっていいのか?それを選ぶべきというのが、私の行動の基本的な考え方でしたが、それは多分理性というか、理屈から出てきたもので、愛情から出てきたものかどうか?というのはわかりませんでした。
多分、今でもわかっていないのかも知れません。
なので、こうして書いていても、迷うのだろうと思います。
本当に何かを選ぶというのは、難しいですね。
特に、それに想いを寄せてしまうと、もう、どうしていいのかわからなくなります。

ストレートに向き合ったと言われると、ちょっと恥ずかしいですね。
私は女性との付き合いというのが、それほど多くないですから、あまりこういうことにも慣れていないので、この方法しか思いつかなかったというのが、正しいところだと思います。
もっと、理沙を苦しめずにやる方法があったのかも知れません。
ですから、このやり方が良かったのかどうか?も考えるところです。

こうして、私の気持ちを分かってくださるコメントをいただけてありがたいです。


>好実さん
私も辛かったですし、おっしゃるように泣きたい気持ちにもなりましたが、やっぱり、一番気持ちが揺れたのは理沙だったと思います。
それに比べれば、私はまだましだったと思っています。
ですから、もう少し良い方法がなかったか?と今でも思うことでもありますが、今の私にも、これ以外の方法は思いつきませんので、本当に難しいですね。
胸が痛いとのこと、好実さんにも気持ちを汲んでいただけて、嬉しかったです。ありがとうございます。

[2011/09/22 21:48] URL | vet [ 編集 ]














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このブログについて

著者:vet

 ※このブログには、エロ動画やエロ画像、官能小説のようなものは一切無いが、内容が内容なので、SMや主従関係という、恋愛の形に不快感を覚える人、違う世界の話だと思う人などはすぐにブラウザを閉じて、このブログのことは忘れるように。

 私は以前、牝奴隷を飼っていた元”御主人様”。でも、今は飼っていない。奴隷を手放した経緯とか、過去の奴隷の話、そのときの気持ち、奴隷への想い、今だから考えられること、言えること。書きたいことを書きたいままに綴るブログ。
 また、今、これを書いている私の現状について、ご質問を頂くことが結構あるので、それについては、
 ◆私について
というカテゴリの中に、”現状の私”というエントリーにして書いておいた。このカテゴリには、私自身のこと(私の好みや、調教の方針など)をメインに書いているエントリーを入れてあるので、興味のある方がいるかどうかは分らないが、もしも気になるなら、見ていただければと思う。

 SM話はストイックになりがちなので、多少軽いタッチのコラムも交えて書いてみようと思う。奴隷を飼っていない今だから書ける御主人様の本音などをできるだけわかりやすく、そして正直に。今、奴隷になっている牝や、御主人様を探しているM女なんかには、御主人様の側の気持ちが少しは分かってもらえるかもしれない。ちなみに、私は理系的な思考傾向なので、考えすぎることが多く、そのために、なにやらややこしいことになることも多々ある。そのあたりも笑って読んでもらえれば、幸い。

 メールやコメントなども楽しみにしている。気軽な恋愛話、気楽なSM話から、SMや主従関係のこと、Mであることなどについての悩みや、相談、質問など、真面目なお話まで、どんなことでも、しっかり伺おうと思っている。恥ずかしいとか、こんなことを言っては変に思われるのではないか?とか、考えることもあるかも知れないが、私は、それなりに長くSMや主従関係の世界に居たので、それほど驚くことは無いと思うし、他人と変わっていることでも、変だとは思わないできちんと伺うつもりなので、メールやコメントは、遠慮せずに送ってくださればと思う。

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 このブログは、私が奴隷と過ごした日々を時系列で綴った続き物の話と、SMに関するちょっとした小話や、SMに対する私の考えや体験、見聞きした面白い話題などを個々に書いた単発物のコラムとが混在している。

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