理系Sの牝奴隷には言えない話
元、”御主人様”だったvetのSMに関するいろんな話。
はじめに

 いらっしゃいませ、とでも書くべきだろうか。とにかく、あなたが見に来てくれたことは素直に嬉しい。ありがとう。

 このブログはSM、男女の主従関係に関することを主に取り上げて書いている。なので少しアブノーマルだ。だから、初めてこのブログを訪れた人は、右側の欄の”このブログについて”をまずは読んで、それに同意できた場合のみ、読み進めて欲しい。

 また、このブログ、少々ややこしい構成になっている。そのあたりも説明してあるので、それも理解してから読んでもらえればと思う。説明を読んで問題がなければ、二度目以降からは以下のエントリーを好きなように読んでもらえればそれでOK。

 AVや他の本格的なSM系サイトなどとは、多少違った視点からのSMの世界を知ってもらえれば、幸いだ。特に読者を指定するつもりはないが、御主人様を探しているM女などにはSMの実態を知るということで、参考になるのではないかと思うので、御主人様を選ぶ前に、SMの世界に飛び込む前に読んでもらえれば嬉しく思う。

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理沙は、また会うかも知れないと言っていた通り、幸一とは何度か会っていた。

でも、その都度、私に報告を入れ、何を話したか、どんな様子だったのか、を本当に詳細に説明していた。

私はそれを全部聞き、そして、迷って、悩んで、泣いている理沙を抱いてやることが多くなった。

もちろん、奴隷としても、使った。

それは、私の願いでもあったし、そして理沙の望みでもあったのだと思う。

私は、理沙とのそんな時間をとても大切に思っていた。


そんなころ、私は幸一から連絡をもらった。

理沙が幸一と会うようになってから、私は幸一にはあまり連絡を入れないようにしていたし、幸一も、私には連絡をしてこなくなっていた。

だから、しばらく会っていなかったのだが、その時は、幸一から会いたいという誘いを受けた。

私も、それはそれで問題ないことだったから、幸一と会うことにした。


幸一と会ったのは、いつも使っていた、新宿の日本料理屋兼飲み屋だった。

落ち着いて話ができるので、そこで小鉢の料理をつまみながら飲むのが、私と幸一のいつものパターンになっていた。

そのときも、幸一と、その店で待ち合わせをした。

その日、幸一はいつもと違って深刻な顔をしていた。

普段ならすぐに酒を頼み、飲みながら、タバコをふかしながら、話をする幸一が、そのどちらもやらなかった。

運ばれてきた料理を前にしても、箸にも手を伸ばさず、ただ、悩んでいるような顔で私と対峙していた。

「どうした?」

私が促すまで、幸一は黙っていた。

言い難い何かがあるのは明らかだった。

そして、それは確実に、理沙のこと。

私も身構えた。

「言っていいのかどうか、分からないことがあるんだ」

そう前置きした幸一は、やっぱり普段の雰囲気ではなかった。

「でも、結局、言うんだろ?」

私は少し笑ってそう言った。

多分、そうしないと、私もその雰囲気に耐えられなかったから。

「そうだ…」

幸一は頷いた。でも、私が笑ったのに、それに乗っては来なかった。

やはり普段の幸一ではない。

それほどのことなのだと、私は覚悟した。

私も笑顔を収めて言った。

「理沙のことだよな?」

「そう。理沙のことなんだ…」

「理沙から聞いたかどうかはわからないけど、お前とあいつとの話は、全部、聞いたから、俺も知ってる。理沙は律儀に俺に報告していたから」

「ああ、それは知ってる。話した内容は全部、vetに言うと、理沙が言っていた」

「それを聞いた限りだと、お前が、そこまで思いつめるほどのことは、俺には見当たらない感じがする。理沙の判断を待つってことで、納得しているように思っていたけれど、違うのか?」

「それは違わない。vetがそうしてくれているように、俺も理沙が判断するのを急かすつもりはない。だた、判断材料の1つとして、理沙に言おうかと思っていることがある」

「なんだ?」

「それを言ってもいいのかどうか、を悩んでいる」

「だから、やっぱり言うつもりなんだろう?そうじゃないなら、俺を呼び出したりはしないよな」

「そうなんだが…」

「じゃあ、言え」

「ああ」

そう言ったあとも、幸一はしばらく黙っていた。私もそこまで行ったら何も言わずに、幸一の次の言葉を待った。

しばらくして、幸一が口を開いた。

「理沙に、主従関係のこととは別に、正式に、結婚して欲しいと言おうと思う」

幸一が重い口から搾り出したのはこの言葉だった。

「…」

それまで、幸一が結婚も考えてくれているという話は、理沙ともしていた。

だが、幸一の口から、直接理沙に、結婚して欲しいという風には、言っていない。

それは、理沙からの報告を聞いていたからわかっている。

理沙へのプロポーズ。

それが幸一の出せる最強の切り札であり、また、その時の私には出すことのできない条件であることには、自覚があった。

それは理沙にも、私と幸一との違いとして、話してあったのだが…。

実際に、その切り札を使うと幸一に言われてみると、私は動揺した。

とっさに何も言えなかった。

「指輪も買ってしまったんだ…。理沙に言ってもいいか?プロポーズしても構わないか?」

「…」

やっぱり、私はすぐには答えられなかった。

理沙の話を聞いていると、結婚というのは、理沙の中では、一つ大切なものとして、意識しているのはわかっていた。

だから、私の結婚観に関しても、質問をしてきていたのだ。

理沙にとっては、大事なことなのだ。

でも、美佳が居る以上、私には、理沙にそれを与えてやることはできない。

奴隷が、理沙だけであれば、私はおそらく結婚ということも考えただろう。

一生をかけて守りたいくらいに思えなければ、奴隷になどしない。

理沙に限らず、どの奴隷にも私はそれくらいの想いは寄せていた。

でも、そんな奴隷が、その時の私には、複数居た。

だから、私には幸一と同じ事は言えない。

「やっぱりダメか?それを言うのはルール違反か?」

幸一は黙ってしまった私に対して、申し訳なさそうにそう言った。

私の中では、それを使うのは、反則だと言ってしまいたかった。

私には出せない切り札。

それを使うのか…。

でも、前に幸一と会った時、幸一に、私は言っている。

理沙とのことで言いたいことがあるなら、好きに言えば良いと。

そのことははっきりと覚えている。正直に言えば、そんなことを幸一に告げたのを後悔していた。

でも、言ったことは言ったことだ。

いまさら、覆せない。

それに、幸一がプロポーズをするということは、幸一の理沙への気持ちをしっかりと表したもの。

一生守ることを誓うと理沙に宣言するということ。

理沙の判断材料としては、必要な情報だ。

その情報を私が握りつぶしていいわけがない…。

私の理性はそう言っていた。感情を踏みつぶして。

心が潰れそうだった。

でも、私は、それを表には出さない。というよりも、出せない。出す勇気がない。

だから、出来る限り、明るく言った。

「それも、理沙がちゃんと選ぶためには必要なことだよな…。言えばいい。ルールなんて最初から決めてないし。あるとすれば、理沙に嘘をつかないこと、くらいだ。お前のプロポーズが嘘じゃなければ、それもありだろう」

でも、これを言うのが、この時の私には精一杯だった。

そして、同時に最も言いたくないことでもあったのだった。

テーマ:主従関係 - ジャンル:アダルト

お疲れ様です。
今は、理沙さんと幸一さんはどうなってるかわからないけど、vetさんの気持ちが、痛いほど伝わってきて、美佳さんのことも、少し気になったりしてます。
全力を注いで書き上げるこのお話は、きっと、最後まで書き上げたとき、vetさんの中でも少し変化があるのかもしれませんね。
ひとまず、お疲れ様です。


これからも楽しく拝見しますね。急がないで、のんびり書いてくださいね。
[2011/12/22 04:07] URL | 綺果 [ 編集 ]
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[2011/12/22 07:40] | [ 編集 ]
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[2011/12/24 03:22] | [ 編集 ]

>綺果さん
綺果さん以外の方にも言われたのですが、この頃の美佳のことが気になるとのこと。
理沙の話のカテゴリーなので、美佳の話はあまり書いてないのですが、美佳の様子というのも、いつもと違う部分はありました。
美佳にも、美佳なりの思いがあったと思いますし、私のことも真剣に考えてくれていました。その時の美佳にも本当に感謝しています。
美佳のこと、実は書くかどうか、迷っていたのです。美佳が本心で何を思っていたのか?というのが、私にもわからない部分も多いので。
でも、そのまま、書けばいいのかもしれませんね。
どうするかは考えますが、うまくあのときの私の気持ちを書けるなら、書いてもいいかなと思いました。

この話、理沙のことはもう少しで書き終わりますが、まだかなり続くので、それを書き終えたときに、私にどんな想いが残って、心をどんなふうに整理できるのか、それが楽しみでもあり、心配でもあります。
なにかを得られたらいいなと思います。

のんびりなんて言っていただくと、本当にのんびりしてしまいそうですが、じっくり思い出して、きちんと書きたいことなので、焦らずに書いていこうと思います。
よろしければ、これからも、お付き合いください。


>2011/12/22 07:40にコメントくださった匿名希望さんへ
体調は大丈夫とのことで良かったです。
それにしても、かなり似た経験をされているお話でびっくりしております。
美佳もそんな感じでしたね。そこまで似ているとは思いませんでした。
匿名希望さんのお話も詳しく伺ったら、きっと私も自分の過去と混乱してしまうかもしれませんね。
そういうことってあるものなのですね。


>2011/12/24 03:22にコメントくださった匿名希望さんへ
理沙が幸せだと思っていてくれたならいいなと思うのですが…。
私にはその確証がないので、本当に良かったのだろうかと、別のもっと確実な何かがあったのではないか?なんてことを、今でも思うところです。
こういう事を考えてしまうのが、よくないのかもしれませんが。
素直に、信じたいところです。
[2011/12/27 23:16] URL | vet [ 編集 ]














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このブログについて

著者:vet

 ※このブログには、エロ動画やエロ画像、官能小説のようなものは一切無いが、内容が内容なので、SMや主従関係という、恋愛の形に不快感を覚える人、違う世界の話だと思う人などはすぐにブラウザを閉じて、このブログのことは忘れるように。

 私は以前、牝奴隷を飼っていた元”御主人様”。でも、今は飼っていない。奴隷を手放した経緯とか、過去の奴隷の話、そのときの気持ち、奴隷への想い、今だから考えられること、言えること。書きたいことを書きたいままに綴るブログ。
 また、今、これを書いている私の現状について、ご質問を頂くことが結構あるので、それについては、
 ◆私について
というカテゴリの中に、”現状の私”というエントリーにして書いておいた。このカテゴリには、私自身のこと(私の好みや、調教の方針など)をメインに書いているエントリーを入れてあるので、興味のある方がいるかどうかは分らないが、もしも気になるなら、見ていただければと思う。

 SM話はストイックになりがちなので、多少軽いタッチのコラムも交えて書いてみようと思う。奴隷を飼っていない今だから書ける御主人様の本音などをできるだけわかりやすく、そして正直に。今、奴隷になっている牝や、御主人様を探しているM女なんかには、御主人様の側の気持ちが少しは分かってもらえるかもしれない。ちなみに、私は理系的な思考傾向なので、考えすぎることが多く、そのために、なにやらややこしいことになることも多々ある。そのあたりも笑って読んでもらえれば、幸い。

 メールやコメントなども楽しみにしている。気軽な恋愛話、気楽なSM話から、SMや主従関係のこと、Mであることなどについての悩みや、相談、質問など、真面目なお話まで、どんなことでも、しっかり伺おうと思っている。恥ずかしいとか、こんなことを言っては変に思われるのではないか?とか、考えることもあるかも知れないが、私は、それなりに長くSMや主従関係の世界に居たので、それほど驚くことは無いと思うし、他人と変わっていることでも、変だとは思わないできちんと伺うつもりなので、メールやコメントは、遠慮せずに送ってくださればと思う。

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