理系Sの牝奴隷には言えない話
vetのSMに関するいろんな話
はじめに

 いらっしゃいませ、とでも書くべきだろうか。とにかく、あなたが見に来てくれたことは素直に嬉しい。ありがとう。

 このブログはSM、男女の主従関係に関することを主に取り上げて書いている。なので少しアブノーマルだ。だから、初めてこのブログを訪れた人は、右側の欄の”このブログについて”をまずは読んで、それに同意できた場合のみ、読み進めて欲しい。

 また、このブログ、少々ややこしい構成になっている。そのあたりも説明してあるので、それも理解してから読んでもらえればと思う。説明を読んで問題がなければ、二度目以降からは以下のエントリーを好きなように読んでもらえればそれでOK。

 AVや他の本格的なSM系サイトなどとは、多少違った視点からのSMの世界を知ってもらえれば、幸いだ。特に読者を指定するつもりはないが、御主人様を探しているM女などにはSMの実態を知るということで、参考になるのではないかと思うので、御主人様を選ぶ前に、SMの世界に飛び込む前に読んでもらえれば嬉しく思う。

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前回の続き。


奴隷に押し切られるように、イチゴ狩りに行くことが決まってから、一週間後。

私は、少し早起きして、奴隷と千葉に向かっていた。

連れて行け、とは言ったものの、車を運転していたのは私だ。

そして、奴隷が隣で、嬉しそうに、ナビをしている。

やっぱり、奴隷の言うがままになっていることに、なんとなく悔しい気分がしていたが、別に嫌というわけでもなかった。

この心境は、多分、御主人様という立場とか、そういうものを意識した時の独特のものだと思う。

行くことに決めたなら、もっと、潔く、素直に楽しめ、と、あの頃の私に言いたい。

だが、あの頃の私というのは、そういうものだった。

そして、奴隷のナビで、何度か道を間違いつつ、そのたびに、

「お前の罰が増えたな」と言っては、奴隷を追い詰め、

でも、奴隷はそれを聞き、少し緊張しながらも、なんだか嬉しそうにもしながら、車を進めた。

そして、午前中のうちに、奴隷がその友人と行って楽しかったという、イチゴ農園に着いた。

そこは、かなり、家なども少ない、農地がメインの地域で、奴隷が案内したイチゴ農園は、ビニールハウスが何棟か並んでいて、

その前に、事務所を改造したような小屋があり、その中に、イチゴや、イチゴのアイスなどの加工品を食べられる椅子と机や、地方発送するためのブース、そして、イチゴ狩りの受付などがあって、農園の人が何人か、働いていた。

早めだったからか、お客は他にいなかった。

受付で、奴隷が、

「イチゴ狩り、二人分、お願いします」

と言うと、そこに居た、農家のおばちゃんが、笑顔で対応してくれた。

「あっ、お客さん、先週の?」

どうやら、私の奴隷が来たことを覚えていたらしい。

「はい。美味しかったので、また来ました」

「そう。ありがとう。今日は、彼氏と来たのね」

そういいながら、ニヤッとして、私を見る、おばちゃん。

こういうのが、照れくさくて、居心地が悪い。私は、顔を背ける。

「あ、えっと…、はい」

奴隷も、ちょっと、口ごもってから、頷いた。

おそらく、奴隷が、躊躇したのは、”彼氏”ではなく、”御主人様”だからだ。

もちろん、表の世界の友達などに言う時には、彼氏がいるということにしておけと言ってある。

だが、私がいる前で、奴隷が、私を”彼氏”と言うことには、やはり少しの抵抗があるようだった。

でも、そんなこととは、全く知らない、おばちゃんは、奴隷のそんな態度を見て、見事に勘違いをしていた。

満面の笑顔で、こう言った。

「あ、もしかして、まだ、付き合ったばかり?」

そんなどうでもいいことを聞くな、と、私は心の中で叫んでいたが、そんな声は、おばちゃんの耳には届かない。

そして、聞こえないから、話は勝手に進む。

「なんか、初々しくて、いいわねぇ」

「あ、ありがとうございます」

奴隷も、少し、タジタジになりながら、応対している。

そして、私は、もう、完全にそっぽを向いている。

こういう話は、本当に苦手だ。

「せっかく、彼氏と来てくれたから、オマケしないとね」

そう言って、おばちゃんは、受付カウンターの後ろから、イチゴ狩り用のプラスチックのお皿を2つ取り出すと、そこに、練乳をこれでもかというくらい、入れた。

おそらく、普段は、もっと少なめなのだろう。

しかも、

「今日、お客さん、まだ、来てないから、時間制限、気にしないで、食べていいからね。彼氏のお腹いっぱいにしてあげなさいね」

どんだけ、食わせる気だ?

と思いつつも、おばちゃんの配慮には感謝して、お皿を受け取ってから、奴隷と一緒に、ハウスに入った。

正直にいえば、私は、イチゴ狩りにあまり期待はしていなかった。

イチゴは、そこまで好きな果物でもなかった。

でも、そのハウスの中の甘い香りと、大きく実ったイチゴに、「おっ」と思った。

予想以上の場所だった。

そして、奴隷が、その中から、大きくて、赤色が濃いものを選んで、ニコニコしながら、私に手渡す。

「これ、美味しそうですよ」

「ああ」

私は、自分の中での、今までのイチゴ感が、覆り始めていることを、必死で隠しながら、そのイチゴを、食べてみた。

美味かった。

手に持ったお皿には、練乳が入っていたが、それを付ける必要は全く無かった。

甘い。

「どうですか?」

奴隷は、私の表情から、してやったと思っていたのは確かだ。それが、わかるのに、否定できないイチゴだった。

「ああ、いいな」

「ですよね!御主人様、どんどん、食べてくださいね!」

「ああ」

そこからは、坂道を転げ落ちるようなもので、私は、奴隷に対して、意地を張っていたことなど、忘れて、イチゴを食べまくった。

うまいものの誘惑には、御主人様のプライドなど、勝てないということだ。

奴隷が、そんな私を見ていることなど、どうでも良くなって、とにかく、イチゴを食べていた。

いくつ食べたかわからない。本当に、イチゴでお腹がいっぱいになった。

私が食べたかったというのもあるのだが、私の手が止まると、奴隷が、また、美味そうなイチゴを選んで持ってきて、

「これも、美味しそうです。どうぞ」

なんていうものだから、それも食べてしまう。

イチゴで、タプタプの状態。

もう、最後は、喉まで、イチゴでいっぱいになっている感じだった。

あんなに、イチゴを食べまくったのは、後にも先にも、あの時だけだ。

ものすごい満足感と、満腹感で、いっぱいになっていた。

そんな私を見て、奴隷が言った。

「御主人様を、お連れして、良かったです」

ちょっと誇らしげに。

そんな奴隷を見て、私は、やっぱり悔しかったのだが、美味いものの誘惑には負けた。

私の意志は、あまり強くないのだ…。

でも、意地だけはあるから、

「お前にしては、上出来だな」

なんて、偉そうに言っていたのだが…。


テーマ:主従関係 - ジャンル:アダルト


いつも楽しく拝見させて頂いております。

いちごが、無性に食べたくなりました(笑)
文末に不穏な空気が……。
イチゴ狩りの奴隷の方の楽しそうな嬉しそうな感じが伝わってきました♪
後編も楽しみにしております。
[2016/07/17 16:38] URL | しあ [ 編集 ]

>しあさんへ
後編、先ほどアップしました。
イチゴ、この時の味は、本当においしかったですね。
もちろん、イチゴ自体も良かったのですが、やっぱり、一緒に楽しむ事ができたのが嬉しかったのだと思います。
何を食べるか?よりも、誰と食べるか?なのだなと思っています。
奴隷も、楽しんでいたみたいで、私も内心は、良かったなと思っていました。
もちろん、あまりそれを外には出さずにおりましたが。
[2016/07/21 08:49] URL | vet [ 編集 ]














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このブログについて

著者:vet

 ※このブログには、エロ動画やエロ画像、官能小説のようなものは一切無いが、内容が内容なので、SMや主従関係という、恋愛の形に不快感を覚える人、違う世界の話だと思う人などはすぐにブラウザを閉じて、このブログのことは忘れるように。

 以前に飼っていた牝奴隷とのことを書いているブログ。奴隷を手放した経緯とか、過去の奴隷の話、そのときの気持ち、奴隷への想い、今だから考えられること、言えること。書きたいことを書きたいままに綴る。
 また、今、これを書いている私の現状について、ご質問を頂くことが結構あるので、それについては、
 ◆私について
というカテゴリの中に、”現状の私”というエントリーにして書いておいた。このカテゴリには、私自身のこと(私の好みや、調教の方針など)をメインに書いているエントリーを入れてあるので、興味のある方がいるかどうかは分らないが、もしも気になるなら、見ていただければと思う。

 SM話はストイックになりがちなので、多少軽いタッチのコラムも交えて書いてみようと思う。奴隷を飼っていない今だから書ける御主人様の本音などをできるだけわかりやすく、そして正直に。今、奴隷になっている牝や、御主人様を探しているM女なんかには、御主人様の側の気持ちが少しは分かってもらえるかもしれない。ちなみに、私は理系的な思考傾向なので、考えすぎることが多く、そのために、なにやらややこしいことになることも多々ある。そのあたりも笑って読んでもらえれば、幸い。

 メールやコメントなども楽しみにしている。気軽な恋愛話、気楽なSM話から、SMや主従関係のこと、Mであることなどについての悩みや、相談、質問など、真面目なお話まで、どんなことでも、しっかり伺おうと思っている。恥ずかしいとか、こんなことを言っては変に思われるのではないか?とか、考えることもあるかも知れないが、私は、それなりに長くSMや主従関係の世界に居たので、それほど驚くことは無いと思うし、他人と変わっていることでも、変だとは思わないできちんと伺うつもりなので、メールやコメントは、遠慮せずに送ってくださればと思う。

 リンクフリーなので、気に入ったら、好きにリンクしてくださればと思う。言っていただければ、私からもリンクするので、そういう意味でも気軽に声をかけてもらえれば幸い。

 このブログは、私が奴隷と過ごした日々を時系列で綴った続き物の話と、SMに関するちょっとした小話や、SMに対する私の考えや体験、見聞きした面白い話題などを個々に書いた単発物のコラムとが混在している。

 続き物の話は、エントリーの題名に第何話という番号が書いてあり、以下のカテゴリにまとめてある。
 ●最初の奴隷
 ●二匹目の奴隷
 奴隷と私とのストーリーを読みたい場合にはこちらを読んでもらえればと思う。

 単発物のコラムは、以下のカテゴリにまとめてある。
 ●四方山話:1エントリーでひとつの話
 ●四方山話(続き物):複数エントリーでひとつの話
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 単発物のコラムの中でも、SMの技術的な話だけは別にしてある。それは、
 ●SM技術
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 奴隷のためにも、そして御主人様のためにも、本当に無茶なことはしないで、幸せなSMを楽しんで欲しいと願っている。

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