理系Sの牝奴隷には言えない話
元、”御主人様”だったvetのSMに関するいろんな話。
はじめに

 いらっしゃいませ、とでも書くべきだろうか。とにかく、あなたが見に来てくれたことは素直に嬉しい。ありがとう。

 このブログはSM、男女の主従関係に関することを主に取り上げて書いている。なので少しアブノーマルだ。だから、初めてこのブログを訪れた人は、右側の欄の”このブログについて”をまずは読んで、それに同意できた場合のみ、読み進めて欲しい。

 また、このブログ、少々ややこしい構成になっている。そのあたりも説明してあるので、それも理解してから読んでもらえればと思う。説明を読んで問題がなければ、二度目以降からは以下のエントリーを好きなように読んでもらえればそれでOK。

 AVや他の本格的なSM系サイトなどとは、多少違った視点からのSMの世界を知ってもらえれば、幸いだ。特に読者を指定するつもりはないが、御主人様を探しているM女などにはSMの実態を知るということで、参考になるのではないかと思うので、御主人様を選ぶ前に、SMの世界に飛び込む前に読んでもらえれば嬉しく思う。

 私への意見や質問、相談、その他の話などがある場合には、右側の欄の中段あたりにある”管理人、vet宛メール”のところのリンクから、メールフォームにいき、メールを送っていただければと思う。メールフォームは2つ用意してあるが、どちらから送ってくださっても構わない。また、各エントリーのコメント欄に書いてくださってもいいので、気軽に話しかけてくれればと思う。


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kyoと話をすることを断った私だったが、kyoのことが気になった。

M女だから、というのもあったのかもしれないが、人に頼ってもらったのに、それを断ってしまったのが、どうにも落ち着かなかった。

もちろん、私の感情として、美佳のことを思い出させられるから、受け入れ難かったというのは、理由として、間違っていないと思うし、

そういう気持ちで、kyoと話をしていると、そのうちに、私のそんな辛い部分を、kyoへのメールのどこかに乗せてしまいそうな気がしていた。

だから、この判断が悪いとは思っていなかった。

でも、私に、できることがあったのに、メールをたまにやり取りするくらい、大した手間でもないのに、それを突っぱねた。

しかも、美佳と別れたことを告げずに。

ちゃんとした理由をkyoに説明していない。

だから、kyoは、きっと、私に迷惑な事をお願いしてしまったと思っているのだろうな、と、私は思った。

そんな風に思わせてしまったであろうことが、なんとなく、私の心に引っかかっていた。

そういうことは、すっぱり忘れられるといいのだが、私は、どうも気になってしまう、厄介な性格の持ち主だ。

そんな自分の性格も、わかっていたのに。

後から気にするくらいなら、断るなということなのだが…。

でも、断ってしまった以上、今更、kyoにメールを出すことはできない。

直樹からも、メールは来なかったから、kyoは直樹に、私に断られたことは言わなかったのだろうと思った。

そういうところは、私のことを気にしてくれたのだと思えて、余計に、断ったことが、申し訳なく思えた。

だから、私は、直樹の掲示板を見るようになっていた。

書き込みはしなかったのだが、ちょこちょこと覗くようになった。

kyoが他の誰か、相談相手を見つけられればいいと思ったから。

というよりも、そういう相手を、kyoが見つけたことを私が確認して、楽になりたかったのだと思う。

私は、書き込みはしないし、知り合いの誰かに、kyoの相談相手になってやってくれと頼むわけでもないのだから、これは確実に、kyoのためではなく、自分のためだった。

しばらくは、何もなかったのだが、2週間ほど経った頃だったと思う。

kyoが、掲示板に書き込みをしたのをみつけた。

そこには、kyoが私に聞きたいと思っていた質問が、やっぱり、あのビジネス的な文章で書かれていた。

それは良かったと思った。

掲示板なら、誰かが答えてくれるだろう。

たとえ誰もいなくても、直樹が最後はなんとかするはずだった。

だから、これで、いいのではないかと思ったのだが…。

問題があった。

kyoは、やっぱり、真面目だった。

私へのメールと同じように、書き込みに添えて、顔写真を掲示板に投稿したのだった。

その書き込みを見た瞬間に、ため息が出た。

それを見ていた人は多かったと思う。

直樹という、ちゃんとした管理人が居る、和気あいあいとした掲示板とはいえ、見ている人の中には、写真を悪用しようとする人も出てくるかもしれない。

kyoの素性を調べようとする人も居るかもしれない。

SM関連のところで、顔を出しての投稿は、表の世界に影響を及ぼしてしまうかもしれない。

悪い人がいるとは思いたくなかったが、やっぱり、そこは表の世界からは、”変態”と言われてしまう世界の掲示板なのだ。

そこで、表の世界に影響が出る可能性のあることを、簡単にやってはいけない。

信用できる相手にしか、個人を特定できる情報を教えてはいけない。

実際、私と同じように思った、掲示板の参加者が、写真を早く消したほうがいいと、コメントをつけていた。

本当は、私も、kyoに、写真を消すようにと、メールを送るべきなのだろうが、見つけた時には、書き込みされてから数時間経っていたから、私のメールをkyoがすぐに見るかどうか、わからなかった。

また、直樹が見れば、問題があるのはすぐにわかるはずなので、消してくれるのだろうが、その状態で消えていないということは、直樹もまだ気がついていないということだ。

でも、そのままkyoを晒しておくのは明らかにまずい。

だから、私は、掲示板の管理人パスワードを使って、その写真を消した。

そのパスワードは、掲示板設置の時に、私が設定したものだったから。

直樹のサイトの掲示板は、私が設置したから、私にはこれが出来た。

直樹に了解を得ていないから、違法行為になるのかもしれないが、それはそれだと思ったし、直樹が後から了承するであろうことはわかったから。

そして、写真が消えて、不思議に思っているであろうkyoにも、メールを送った。

「掲示板に、不用意に顔写真を投稿するのは危険だから、削除した」と。

また、こうなるに至った経緯を、直樹にもメールしておいた。

私がkyoとの話を断ったことが発端だったということも、全て書いた。

そこまでやって、少しホッとしたのだが、私がkyoの話を聞いてやっていれば、こうなっていなかったのだろうと、どうしても思ってしまう。

私のせいではなく、kyoが自分でしていることだというのは、わかっているのだが、やっぱり、後味が悪い。

kyoから、余計なことをするなと、メールが来そうな気がした。

でも、先に連絡をよこしたのは、kyoではなく、直樹だった。

メールではなく、電話で。

直樹もおそらく、kyoのしたことに関して、かなり焦ったのだろうと思う。

その対処をした私に、直接、話がしたかったということらしかった。

直樹は私がしたことは、そのままに了承してくれた。

そして、とても丁寧に、その対応へのお礼も言われたのだが、そのときに、こうも聞かれたのだった。

「vet君は、もう、SMは嫌いですか?」

と。

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直樹に、

「もう、SMは嫌いですか?」

という質問をされた時、ドキリとした。

それは、私の中での、SMへの気持ちをストレートに問うもので、その時期の私が一番わかっていなかった部分だったから。

どう答えていいのか、迷った。


SMが嫌いというわけではない。

それは、奴隷と別れてからも、SM関連のところに出かけたり、借りてくるAVが、SMものばかりだったりしたことからも、わかる。

SMという行為自体が嫌いなわけでもないし、ましてや、私の中からSの性癖が消えたとも思えなかった。

だから、直樹の質問にストレートに答えるなら、「嫌いではない」と言えばよかったのだが、

私が、それを躊躇したのは、理沙と別れ、そして美佳とも別れたことで、その奴隷たちに向けていた気持ちが絶たれたという、心の大きな変化があったからだと思う。

そして、その絶たれた気持ちというのは、SMや主従というものと、切り離せていなかった。

だから、SMや主従というものを考える時、どうしても、別れた奴隷のことが、同時に思い出される。

そういう状態だから、”奴隷の思い出とリンクしているSM”というのは、嫌いというか、辛かったのだと思う。

だから、もしも、kyoがメールに、私に話をしたいと思った理由として、美佳のことを書いてこなければ、”奴隷の思い出とリンクしたSM"ではなく、

私は純粋に、”SM”の話をしたいと思ったのかもしれないから、そもそも、断らなかった可能性もあったようにも思う。

と、今は、こういうことを考えていた時期だったのだと整理して思えるのだが、あの頃はこのような、明確な分け方ができていたわけではなく、

SMや主従というものに、靄がかかったような、興味が失せたわけではないけれど、積極的に近づくのも、どうも気が進まないというモヤモヤした感じで、私の中にあったのだった。

だから、kyoへの対応も、中途半端だったのかもしれない。

メールで話をするのを断っておきながら、その動向が気になって、掲示板を見ていたのだから。

そんな私だったから、直樹からの質問への答えが、すぐにはちゃんと思いつかなかった。

なので、

「嫌いではないですけれど、前のように、自分から求める気持ちがあまり湧いてこない、っていう感じでしょうか」

というような、煮え切らないことを返していた。

でも、そんな私に対して、直樹が言ったことが、とても印象深い。

「前のパートナーさんが、本当に、素晴らしい方だったってことですね。そんな関係、羨ましいですよ」

多分、直樹は何気なく、感想を言ったのだと思う。

私が、煮え切らないのは、過去の奴隷のことを考えているということがわかって、それに思考が引っ張られているのは、その頃のことが、とても良かったからだと、直樹はおそらく思ったのだと思う。

だから、それを言ったのだろう。

でも、その言葉は、私の中の、モヤモヤしたものに対して、少しの明かりを照らしてくれた気がした。

別れた、ということについて、私は、とてもネガティブなことしか思考していなかったということに気がついた。

基本的に、関係が破綻したのだから、ネガティブなことではあるのだが、それに全てを飲み込ませる必要がないということが、なんとなく理解できた。

今にしてみると、なぜ、ネガティブなことだけしか考えなかったのか?と思う。

別れた奴隷との思い出は、幸せなことが多かったのだし、それが、別れたことで否定されるわけでも、塗りつぶされるわけでもない。

奴隷とやったSMの、とても良かったことまで、なんで否定しているのか?触れることを怖がっているのか?

そんなことを思った。

もちろん、私は、考え過ぎるくらい考える性格なので、その直樹の一言で、全ての思考に決着がついたわけではないのだが、

それでも、それは、私の中の、SMや主従にかかっていた、霞のようなものを少し晴らしてくれた。

その後、直樹としばらく話をしたのだが、直樹は、特別なことを言ったわけではない。

普通に話をして、最後に、やっぱり、「掲示板の、対応をしてくれて本当にありがとう」と言って、電話を終えたのだが、

そのあと、私の中のSMや主従への気持ちというのは、少し変わった気がする。

奴隷と過ごしたことのなかで、良かったことは良かったのだ。

そのことが、なんだか、そのまま受け入れられるようになった気がしていた。

そして、そうなると、本当に、kyoに悪いことをしたと思った。

ちゃんと答えてやれば良かった。

私が、奴隷に、とても幸せな気持ちにしてもらったSMのことを。

そうすれば、kyoは、掲示板で、あんな暴挙をしなかったのに。

だから、掲示板で、勝手に写真を削除した対応について、私が出したメールに、kyoから、もしも、返信が来るのなら、また、私と話をすることを、kyoがまだ望むなら、そうしてもいいと思った。

ただ、もちろん、kyoが返信をよこすかどうかはわからないのだから、そのときは、仕方がないとも思った。

というよりも、とにかく、kyoに謝りたかった。

それが強く思ったことだ。

そして、次の日。

kyoから、返信が来ていた。

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kyoからの返信メールは、やはり、ビジネスメールみたいだった。

もちろん、失礼なことなど書いていなかった。

まだ親しく話をする前の段階であることの距離感を考えて書いているのだと思えた。

とても真面目な性格が伺われるのは、最初にメールを貰った時と同じだった。

kyoは、自分が掲示板に顔写真付きで投稿してしまったことについて、私が書いたメールや、書き込みに寄せられたコメント、また、直樹からも、メールが行っていたらしく、それが、リスクの高いことであるというのは、そのときには理解していた。

だから、私が写真を勝手に削除したことを、怒っているようなことは、全くなく、感謝の言葉と、自分の軽はずみな書き込みを恥じている、ということを書いてきた。

また、kyoとの話を断った私に、手間をかけさせてしまったことを、ものすごく謝っていた。

だが、その部分が、私は、とても申し訳なかった。

kyoは、私に迷惑なやつだと思われているのだと、思っているのが、容易に想像できたからだ。

私が、kyoとの話を断った真意を伝えていなかったから、kyoがそう思うのは、無理のないことなのだが…。

だから、kyoが、そのメールの最後に、

「これ以上、vet様には、ご迷惑をおかけしたくありませんので、メールの返信も、お気になさらないでください」

と書いていたことに、ため息が出た。

でも、私は、これだけで終わることは、どうしてもできないと思った。

だから、返信不要とのことだったのだが、そのメールに返信をした。

なぜ、kyoとの話をしないと言ったのか?それをちゃんと説明した。

美佳と別れたことを書いた。

SMや主従というものが、美佳との思い出に結びついてしまっていたから、話をするのが、気が進まなかったということも書いた。

そういう気持ちがあったから断ったというだけであって、kyoが迷惑だとか、質問に答えるのが面倒だとか、そういうことは全く思っていないということ。

それについて、誤解させてしまったことなど、素直に謝罪した。

その上で、kyoの質問についての話をしてもいいと思っていると書いて、メールを送った。

それに対して、kyoから、返事が来たのだが、その中で、kyoは、もともと質問したかったことについては、一切触れて来なかった。

その代わりに、美佳と私が別れていたのに、それを思い出させるようなメールを送ってしまったことをひたすらに謝っていた。

でも、それは、kyoが知らなかったことであり、謝るべきことではないのだが、とにかく、そのことで、私の傷をえぐったのだと、kyoは思ったようだった。

この時は、私が送るメールが、次々に、kyoに気を使わせる方向に行ってしまっており、裏目に出ている気がした…。

それと、ビジネスメールっぽい文面は相変わらずだったから、少し固い印象とか、冷静な感じをkyoからは受けていたのだが、

このあたりから、なんだか、kyoが、自信が無いような、そんな素の部分を持っているのではないか?と、思うようになってきていた。

メールではあったが、私と話をすることに、緊張しているのではないか?と、思えてきた。

ビジネスメールっぽい文面も、もしかしたら、そういう部分があるから、仕事で書き慣れたように書いてきているのではないかと、思うようになった。

などと、kyoのことが、少しわかったような気はしていたのだが、kyoは、とにかく、申し訳ないという謝罪を、私に言うばかりで、本来、話をしたがっていた、SMや主従に関する質問を、一向にしようとはしなかった。

私も、事情を説明すれば、kyoが気を使うかもしれないということを、あまり考えていなかったことに、あとで気がついて、メールでの話が下手な自分を呪いたくなった。

kyoの性格を、もっと冷静というか、メールの書き方のように、スパっと割り切って、話を進めるのではないかと、思っていたのだが、それが間違いだったことに気付かされた。

そんな中で、何度かメールのやり取りをして、私が、美佳との別れの思い出とは、切り離して、主従の世界の話をすることにしたことや、

私としても、過去の奴隷とのSMや主従の中で、良かったことは良かったと、認め、少し前向きに、主従の世界に触れていきたいと思うようになってきていること(実際にそうかどうかは、この時点ではまだ疑問ではあるのだが、kyoにはそのように伝えた)を、

何度も説明して、kyoが、私に対して、謝る必要など無いと、言い続け、なんとか、kyoも、謝るのをやめてくれた。

そうなるまで、何通かのメールのやりとりをしたのだが、kyoは、そういう、人の気持ちに対して、

良い意味で言えば、敏感で配慮ができるということであり、悪い意味で言えば、それを気にし過ぎて、触れてしまうのを怖がり、怯えているような印象を受けた。

今、思えば、だが、kyoは、他人の心に深く入り込むことを避けている感じがあった。

同時に、自分の心にも、深く入り込まれるのを、おそらく無意識に防御していた。

人は、精神的な(実際の距離的にも)テリトリーというのは、必ず持っているものだから、その中に踏み込まれること、また他人のテリトリーと分かるところに踏み込むことは、避けたいと思う傾向があるのはわかる。

ちゃんと、心には壁がある。誰も、いれることのない自分だけの場所というのは、あるものだ。

でも、kyoの場合、そのテリトリーが、結構広く、また壁も強固だったのだと思う。

人を寄せ付けない雰囲気というのを持っている人はいるが、kyoには、外面的には、そういうのはなかった。

話をすればフレンドリーに対応する。むしろ、社交的といわれる方だと思う。

でも、少し深い話をしてみると、「ああ、ここは、入って欲しくないのだな」と思う部分に、結構ぶつかった。壁が色々なところにあった。

だから、他人(私)のテリトリー、そして、その壁にも、敏感だったのだと思う。

kyoが、そんな感じの女だということを、私は最初に全くわからず、話をすることを、無下に断ってしまっていたのは、想像以上に、kyoにとっては、ダメージだったのではないかと思った。

多分、直樹に、「vetに連絡を取りたい」とメールを出すことも、その後、私にメールを出したことも、相手の壁を意識するkyoにとっては、ものすごく、勇気がいることだったように感じた。

それをおして、私にメールをしたのだろう。

それなのに、私のテリトリーを土足で踏み荒らしてしまったのだと思い、それを悔いていたように感じた。

だから、余計に、kyoの質問には、しっかりと答えてやりたいと、この時の私は思うようになった。

それで、言葉を尽くした。

今思えば、お節介にも近かったかもしれないが。

そんな感じで、何度もメールをしていくうちに、kyoもやっと、

「それでは、質問させていただいても、よろしいのでしょうか?」

と、言った。

その言葉に、私は、とてもホッとしていた。

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kyoは謝罪、私は事情説明。

これを、何度か繰り返した後、やっと、kyoは、最初に質問をしたいと言っていた、SMや主従の話を切り出すことにしたようだった。

というよりも、普通に話ができるようになった。

ホッとした。

そして、話に入る前に、kyoは、自らの名を名乗った。

そのM女は、恭子(仮名)といった。

名前の最初の部分をハンドルネームにしていた。

だから、”kyo”。

私がこの時、少し不思議に思ったのは、自分の顔写真は出したのに、名前をここまで名乗らずに来たことだった。

でも、それは、簡単な理由だった。

恭子は、SMの掲示板で話をする前、彼女の友人と一緒に、SMとは全く関係のない別の掲示板で、話をしていた。

その時、恭子は、最初、本名で書き込んだらしいのだが、それを、友人に指摘され、ネットで、本名(や仕事や電話や住所)を出すのは、良くないと言われていた。だから、いきなり本名は出さなかった。

だが、その友人は、顔写真を出すなとは、言わなかった。

恭子は、きちんと話をするなら、自己紹介をするべきだと、頑なに思っていたのだが、本名を出すことは止められていたから、顔写真を出した、とのことだった。

kyoという、本名の一部をハンドルネームにしたのも、そういう気持ちからだった。

私にしてみると、顔写真も本名も、リスクとしては大差ない気がするのだが、恭子にとっては、友人に止められなかったものだから、大丈夫というか、

本名を出せないのだから、せめて顔を出すことが礼儀だと思っていたという、やっぱり、とても真面目なことを考えていたのだった。

あの頃は、ネット初心者もまだまだ多かったから、どこまでのことを、ネットに晒してもいいのか、わからない人も、かなりいたように思う。

まあ、本名が駄目で、顔写真がいいと思っていたという、恭子は、ちょっと珍しいとは思うが…。

そういう背景を考えると、恭子が個人情報を書くことを礼儀だと思っていたことは、仕方がないと思ったのだが、私にしてみると、少し危なかしく見えた。

そして、私と本格的に話をすることにしたので、やはり、本名を名乗りたいと思ったとのことで、恭子は、自ら、名乗った。

私は、名乗られてから、「本名を名乗る必要はなかったのですが…」と、言ってしまったのだが、やっぱり、恭子は、ちゃんと話をしたいので、どうしても知っていて欲しいと言った。

恭子のそういう気持ちというか、性格は、段々と私も理解してきていたから、名乗ったことに関しては、それ以上、なにも言わずに、受け入れた。

ただ、仕事や住んでいる場所など、もっと詳しいことは、言わなくても、失礼になることはないので、大丈夫だからと、言い聞かせて、個人情報を、恭子が私に伝えるのは、とりあえず止めたのだった。

私は、聞きたくなかったわけではないし、そういうことを聞いたとしても、その情報を何かに悪用する気は、当然無いから、聞いても構わないといえば、構わないのだが、それでも、そういうことは避けさせた。

恭子が、掲示板に画像を投稿した時から思っていたが、他の人と話をする時にも、同じ事をしてしまいそうな危うさを、恭子から感じたからだ。

とにかく、そういう個人が特定できる情報については、気をつけたほうがいいということは、何度か言った覚えがある。

私としては、恭子の友人が止めていたにも関わらず、本名を言われたことは、それだけ、信頼されているということだから、嬉しいことは嬉しいのだが、それよりも、心配な気持ちのほうを強く持っていた。

恭子は、メールの文面を見る限りでは、とてもしっかりしているように、感じられたのだが、こういう危うさがあった。

どちらが、恭子の性格に近いのか?というのは、この時点では判断できないことではあったのだが、私は、メールから受けたしっかりした印象と、危うさのギャップから、危うさの方を、心配しながらメールを続ける感じになっていた。

こんな風にして、恭子との話は、始まった。


始めてみると、恭子は、やっぱり、前に書いてきたメールの通り、とてもしっかりと話をしていた。

話の内容自体に、危うさは感じられない。

ネットでの個人情報に関する意識が私とは違っていただけで、他の話がうまく出来ないとかそういうことはなかった。

むしろ、とても、的確に話をする。

でも、私は、危ういイメージを持ってしまっていたから、最初はそれに戸惑いながら話をしていたというのが、本当のところだったと思う。

それでも、きちんと話をしてくれたから、話しやすかったのは確かだ。

というよりも、恭子は、相手が話しやすいようなメールを書くことができた。

おそらく私に合わせて話をしていた。

その技術というよりも、おそらく、相手を思いやれる気持ちが、そこに現れていたのだろうと思うのだが、それは、とてもすごいことだと思った。


そんな恭子から最初に受けた質問。

それは、

「私なんかでも、奴隷になることはできるのでしょうか?」

というものだった。

この質問には、色々な意味がある。

容姿が気になるとか、性格が気になるとか、年齢が気になるとか、他にもあるが、自分が、この世界に適さないのでは?と思う何かを、持っているということだ。

そして、恭子の場合、この質問の意味は、

「私は、傲慢だとか、生意気だとか、調子に乗っているとか、言われているのを知っています。きっとそうなのだと思います。そんな女でも、奴隷になれるでしょうか?」

ということ。

性格的な意味でもあり、また、自身の仕事やその立場という意味でもあった。

この質問と併せて、仕事でどんな立場にいるのか?ということを恭子は説明した。

具体的な勤務先などは、あとから知ったのだが、名前を聞けば、誰でも知っている、ある大手銀行で、恭子は働いていた。

そして、年齢にしては、かなり重要な仕事を任される立場にいた。

そのことを鼻にかけている。

自分ではそんなつもりはないのだが、そう言われてしまっている。

だから、きっとそうなのだと思う。

そんなことをメールに書いていた。

少し、話がそれるが、その銀行で昇進するには、半年に一度くらい、試験があり、そのための勉強を必死でやった結果として、恭子は、その立場にいた。

それは、恭子の努力であり、ずる賢く、世渡りをしていたとは、私には全く思えない。

むしろ、恭子は、生きることに不器用だったように思える。

でも、こういう試験があることなどは、私はかなり後から知ったことで、この時点ではわからなかったから、私は、恭子が、自分の性格を、傲慢だとか、生意気だとか、言うのであれば、そうのなのかもしれないと、思いながら、メールを読んでいた。

そして、そんな自分が、奴隷になれるのか?

この質問から、恭子との本格的な話が、やっと始まったのだった。


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恭子が最初にした質問。

「私なんかでも、奴隷になることはできるのでしょうか?」

というのは、前のエントリーにも書いた通り、恭子が自分のことを、傲慢だとか、強気だとか、生意気だとか、そういう風に、周囲から評価されているのを知っていて、きっとそれが自分の性格なのだろうと、思っていたことからきている。

そんな性格の人間が、ある意味、それとは、真逆のイメージがある”奴隷”というものになれるのかどうか?ということを、私に質問してきたということだ。

この辺りも、私は、ブログでは、前回のエントリーから、ここまで、かなり長く書いているが、恭子からのメール上では、要点はきちんと押さえてあり、さらに余計なことが少ない、わかりやすく、かなりさっぱりとしたものだった。

やっぱり、ビジネスメールに近い感じがした。

そして、この質問に、私が答えるということで、私のその時の認識を少し書いておこうと思う。

私は、それまでに2匹の奴隷と付き合い、別れた。

また、SM系の掲示板やそのオフ会などで、この世界での知り合いも増えて、色々な主従の形を見てきたという、状態。

だから、ある程度のことは、わかっていたと思う。

でも、今と比べると、整理されていなかったところはあって、私の中というのは、経験や見聞きしたことはあふれていたが、それが、ごちゃっと、雑多に、いっぱいある状態といえばいいと思う。

ただ、それは、今の私から見てそう思うというだけで、あの時の私は、私なりに意見もあったし、”こうあるべき”という、考え方も持っていた。

だから、あの時の私として、恭子には、答えているから、これから、恭子との話の中で書くことというのは、私の今の意見と同じ部分もあるが、違う部分も多い。


恭子の質問に対して、私は、少し頭を抱えた。

今の私なら、「問題ないと思います」というだろう。

それは、性格と、性癖というのは、別物だという認識に立っているからだ。

また、職業という意味でいえば、表の世界と裏の世界も、きちんと分けるもの、分かれているべきものという思いがあるから。

いくら強気な性格でも、傲慢でも、そして、堅い職業で、さらにキャリアを積み重ねていても、Mという性癖がその中にあるのであれば、奴隷になることはできる。

裏の世界を持つことはできる。

今の私はそう思っている。

奴隷というと、やはり、イメージされるのは従順さとか、気弱さなのだと思うが、私が接したり、見聞きしてきた主従の奴隷が、全て、こんな性格だったとは、絶対に言えない。

私の奴隷でさえ、それは言えないから、これは経験則としてもわかる。

前に、お話をさせていただいたSの方などは、ご自身の奴隷を、”猛獣”のようだと言っていた。

それをうまく調教し、躾けて、奴隷にしていくのだと。

そのSの方は、猛獣のようだと評した”性格”とは別に、”性癖”としてのM性を見出していたから、奴隷にできると考えていたのだろうと思う。

実際、奴隷として、しっかりと躾けて飼っている様子が伺えた。

だから、こういう認識は、私以外にも持っている人はいるのだと思う。

性格と、性癖は違う。

奴隷になれるかどうか、御主人様との間に、絶対的な立場の差を付けられ、屈辱的なことや、苦痛や、その他の、ノーマル女性にはとても耐えられないであろうことに、喜びを見出せるかどうかは、主に性癖からのものであると、今の私は思う。

もちろん、性格が性癖に影響を及ぼし、M性があっても、どうしてもそれを開放できなかったり、その逆もあるのはわかるが、基本的には別物と思っている。

でも、その頃の私は、性格と、性癖の間に、今ほど明確な線引きをしていなかった。

それまでに奴隷にしたのが、ある意味、とても奴隷らしい、美佳と、理沙だったから、性格が、奴隷になれるかどうかを決めている部分が多いと思っていた。

だから、恭子の質問に対して、頭を抱えたということだ。

性格が、奴隷らしく(当時の私の中での奴隷のイメージでは)ないということに。

なので、慎重に話を始めた。

私はまず、

「なぜ、奴隷になりたいのか?」

ということを、質問した。

質問に質問で返していたのは、私が、答えに迷ったからだと今なら思える。

その性格で、表の世界では活き活きと、生活しているように見える恭子が、わざわざ奴隷になることを考えている理由が、知りたかった。

すると、恭子は、その理由を小さい頃からの体験などから話し始めた。

恭子にしては、長いメールが届いた。

もちろん、蛇足な部分が多くて長くなっているのではなく、要点をまとめても長くなる、つまりは、「奴隷になりたい」と、恭子が決意するまでには、紆余曲折の色々なことがあったということだ。

「缶けりの鬼になるのが好きだったんです」

恭子が書いてきたことで、これが、とても印象に残っている。

恭子には、兄が居て、小さい頃は兄の後をついて遊ぶような子供だったという。

だから必然的に、兄の友達とも一緒に遊ぶ。

年齢が上の男の子たちの中に、恭子が一人、入って遊ぶということになっていた。

そこで、缶けりをする。

缶けりのルールを、知らない方は調べていただくとして、その鬼というのは、缶を蹴られたら、それを拾ってきて、定位置に置き、その缶をまた蹴られないように注意しつつ、逃げた人たちを見つけるという役目。

この遊びは、走るのが早い人が、圧倒的に有利だ。

でも、恭子が鬼になった場合、周りはみんな、年上の男の子。

走力で、恭子が勝てるわけがなかった。

だから、簡単に、缶を蹴られ、せっかく捕まえた人も、また逃げられる。

全員を捕まえることができず、延々と鬼を続けさせられる。

一人で、何度も、蹴られた缶を拾いに行く。

拾っても、拾っても、また蹴られて、拾いに行く。

恭子の足が遅いのがわかっているから、兄や兄の友達は面白がって、恭子をからかいながら蹴っていく。

普通、そんなことを繰り返されたら、鬼は嫌がって、やめると言い出すところなのだが、恭子は、そういう風にされるのが、嬉しいと感じていた。

だから、ひたすらに、蹴られた缶を拾いに行き、また蹴られて、拾いに行き、…というのを、繰り返した。

それが、楽しかった。

とてもドキドキした。

兄達が、からかいながら、自分がせっかく拾った缶を軽々と蹴って走り去るのが、嬉しかった。

いじめにも近いような、この状況で、そんな気持ちになったのだという。

それが変だ、普通ではない、ということは、恭子は、幼いながらも、気がついていた。

もちろん、その正体はわかっては居なかったが、常識的な感情ではないことは認識していたと言った。

他の男の子が、鬼になった時、あまりにも、それが続くと、嫌がって、鬼を変わってくれと願い出て、それが認められていた。

だから、恭子も、そう言えば、認められたのだろうと思う。

でも、恭子は一度も、鬼を変わってほしいとは、言わなかったそうだ。

言いたくなかった。

鬼をやっているのが、楽しかったから。快感だったから。

せっかく拾って来た缶を、何度も、何度も、蹴られるのが嬉しかったから。

「これって、変ですよね? でも、今思うと、これがはじめて、M性に気がついた時だったのだと思います」

恭子は、缶けりの話を締めくくった時に、そのように書いてきた。

テーマ:SM・拷問・調教・凌辱  - ジャンル:アダルト

このブログについて

著者:vet

 ※このブログには、エロ動画やエロ画像、官能小説のようなものは一切無いが、内容が内容なので、SMや主従関係という、恋愛の形に不快感を覚える人、違う世界の話だと思う人などはすぐにブラウザを閉じて、このブログのことは忘れるように。

 私は以前、牝奴隷を飼っていた元”御主人様”。でも、今は飼っていない。奴隷を手放した経緯とか、過去の奴隷の話、そのときの気持ち、奴隷への想い、今だから考えられること、言えること。書きたいことを書きたいままに綴るブログ。
 また、今、これを書いている私の現状について、ご質問を頂くことが結構あるので、それについては、
 ◆私について
というカテゴリの中に、”現状の私”というエントリーにして書いておいた。このカテゴリには、私自身のこと(私の好みや、調教の方針など)をメインに書いているエントリーを入れてあるので、興味のある方がいるかどうかは分らないが、もしも気になるなら、見ていただければと思う。

 SM話はストイックになりがちなので、多少軽いタッチのコラムも交えて書いてみようと思う。奴隷を飼っていない今だから書ける御主人様の本音などをできるだけわかりやすく、そして正直に。今、奴隷になっている牝や、御主人様を探しているM女なんかには、御主人様の側の気持ちが少しは分かってもらえるかもしれない。ちなみに、私は理系的な思考傾向なので、考えすぎることが多く、そのために、なにやらややこしいことになることも多々ある。そのあたりも笑って読んでもらえれば、幸い。

 メールやコメントなども楽しみにしている。気軽な恋愛話、気楽なSM話から、SMや主従関係のこと、Mであることなどについての悩みや、相談、質問など、真面目なお話まで、どんなことでも、しっかり伺おうと思っている。恥ずかしいとか、こんなことを言っては変に思われるのではないか?とか、考えることもあるかも知れないが、私は、それなりに長くSMや主従関係の世界に居たので、それほど驚くことは無いと思うし、他人と変わっていることでも、変だとは思わないできちんと伺うつもりなので、メールやコメントは、遠慮せずに送ってくださればと思う。

 リンクフリーなので、気に入ったら、好きにリンクしてくださればと思う。言っていただければ、私からもリンクするので、そういう意味でも気軽に声をかけてもらえれば幸い。

 このブログは、私が奴隷と過ごした日々を時系列で綴った続き物の話と、SMに関するちょっとした小話や、SMに対する私の考えや体験、見聞きした面白い話題などを個々に書いた単発物のコラムとが混在している。

 続き物の話は、エントリーの題名に第何話という番号が書いてあり、以下のカテゴリにまとめてある。
 ●最初の奴隷
 ●二匹目の奴隷
 奴隷と私とのストーリーを読みたい場合にはこちらを読んでもらえればと思う。

 単発物のコラムは、以下のカテゴリにまとめてある。
 ●四方山話:1エントリーでひとつの話
 ●四方山話(続き物):複数エントリーでひとつの話
 短い話を気軽に読みたい場合にはこちらを読んでもらえればと思う。

 単発物のコラムの中でも、SMの技術的な話だけは別にしてある。それは、
 ●SM技術
にまとめておいた。技術的なことに興味のある場合には、こちらを読んでもらえればと思う。

 カテゴリの記事は古い順に並べてあるので、カテゴリ名をクリックしてもらえれば、続き物の記事でも最初から順番に読めるようになっている。


  当ブログ内に書くことは、私が実際にやってみたことや考えたことであって、それが正しいかどうかを完全に検証したわけではない。だから、もしも同じことを試す場合には自己責任で、細心の注意を払って実行して欲しいと思う。SMなので、体への損傷などの可能性もなくはないから。とにかく気をつけて欲しい。そして、このブログ内のことを試して、いかなる不利益が生じたとしても、私、vetは免責されることとする。そのことはしっかりと承知した上で読んでもらいたい。
 奴隷のためにも、そして御主人様のためにも、本当に無茶なことはしないで、幸せなSMを楽しんで欲しいと願っている。

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当ブログの管理人、vetへのメールは以下のリンク先のメールフォームから送っていただければと思う。2つあるが、どちらのメールフォームからでも、良いので、都合の良い方を使ってもらえればと思う。

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ブログよりも、短い話題はこちら。 こちらの方がブログよりも気軽に書いている。また、チャットみたいな感じで誰かと会話をしていることも多いので、ブログでの私のイメージと少し?だいぶ?違うかもしれない。あまり遠慮せず、気楽に話しかけてくれると嬉しい。

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掲示板形式で話ができる場所。ブログにコメントできない時のための非常用に作ったが、それ以外でも、私と参加者、また、参加者同士などで、話をするのにも気軽に使っていただければと思う。

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